第2話

「こんばんわ、石山耕一です」

予想通り目の前の僕は僕の姓と名前を

名乗った。

「まあ、とにかく入って」

ともかくどんな理由があるにせよ

目の前の僕は僕と同じ名前で

同じ顔なのだ。

そうそう、邪険にできないではないか。

「お邪魔します」

耕一のニセモノ(?)は丁寧にそう言うと

ずぶ濡れのまま、部屋の中に入って

きた。

「まあ、座りなよ」

僕がそう言うと、

「狭いな。六畳一間ってところか」

ニセモノは嫌みったらしくつぶやいた。

「八畳だ」

僕は思わずそう叫ぶと、座布団を

二つ出して一つに腰を下ろした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る