第3話
東京で、ホームレスでもするか、腹をくくった私はとりあえず繁華街のベンチに腰掛けたが、ホームレスが眠らないように仕切りがあり、横たわれない。小一時間ほど過ごしたろうか。とある女の子がやってきた。ギターを背負ってアンプを重そうに抱えて、小ステージをつくりだす。そのままマイク無しで女の子はストリートライブをおっぱじめた。有名な曲のカバーを、お世辞にも上手いとは言えないギターテクニックで引き語る。YuIに憧れてるのかな、それともコブクロ?
音楽を生み出す苦しみは長く果てしなく悶々としていてピアノの前に座ったはいいけれど譜面がまるでちんぷんかんぷんな初心者に似ている。
私はそれでもずっときいていた。女の子の真剣な眼差しに感じいったからだ。チップを、ギターケースに投げた。500円。女の子はお礼をいった。そして私の横に腰掛けてきた。おいおい、危機感がたりないよ、襲われるよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます