忘れ時の約束

きみが　なやむと目を伏せて

長い睫毛の影

ビスクドォルの面影が

陶器ではないのに壊れそう


五臓六腑の周期表

「まだ壊れないで」

もったいないのなんていうけど

ほら、みろよ、壊れたぞ


このさきどうする　こまったな？

ハンディのレッテルが

悪用悪用されまくって

みんな目は「ほんとかよ」


それでもヤサシイ人がいて

損なの得なの奇特なの

お綺麗な顔の細まる目

あいつに助けてもらいなよ


壊れておまえは困り果て

「あなたがいい」といいだして

馬鹿よ、やだよと喚いたら

「最後まで付き合って」と言われたさ


……一瞬ばかりの徳がある

今後の人生は「徳」ばっか？

んなわけないだろ

先に死ぬのはおまえだろ？


耐えられると思ったら大間違えだ

どうか他人でいさせてよ

最後の「好きだ」と言わせてくれ

ああ、その微笑みは一目であった恋の音


なんだよ、これだけ、約束しろよ

来世もお前と一緒にいたい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る