Who are you? I am Revenger‼︎

れのんNON

第1話 Who are you?

ここはとある飲み屋の席

「なぁお前”寿命”売ったことあるか?」

「寿命売買制度...施行されたはいいが怖くて俺は売れねーぜ」

「”ソウルショップ”近くにあるから行ってみねーか?1、2年ぐらいなら俺はいけるぜ」

「参考程度に行ってみるか...中には5年の寿命を株に出して”来世幸福権”を勝ち取ったて奴もいるらしいし」

「来世での幸福が約束されるあれか...俺も欲しいぜ...」

男たちは酒場を出てソウルショップを目指す


西暦3000年 技術は進歩し寿命の売買までもが可能になった 寿命売買制度にはいくつかルールがある まず寿命を売るとお金や名誉 身体的能力 学力などあらゆるものと交換することができる それは寿命を売る量に比例し だいたい寿命1年で500万 90年で2億といった感じだ 逆に寿命を買うこともできる 500万で一年 二億で90年 ただし寿命を一度でも売ったことのある者は寿命を買うことが出来ない

「でもよ、何で寿命売っちまったら買うことができないんだろうな?」

「それは体が受け付けないからだそうだ

寿命を売るということはいわば体を裏切ること 裏切られた体がよそのやつの寿命を受け入れることはないだろうからな」

「着いたぞ ここがソウルショップだ」


ソウルショップ 名前の通り寿命を売買する場所 私企業というわけでは無く国が全て管理している 実は寿命をどのようにして取り出したり入れ込んだりするかは一般人に知らされてなかったりする


「いらっしゃいませ...」

2人の若者を出迎えたのは高校生くらいの気だるげな女の子

「とりあえず席に着いてソウルカタログでも見よう」


店の中には店主らしきサングラスのごつい男が1人と出迎えた女の子 それに頭を抱えて席に座っている中年オヤジと高校生くらいの男子が席でソウルカタログを読んでいる


「ところでソウルカタログってのはなんだよ」

「このカタログにどれだけ寿命を売ればどれくらいお金や力がと貰えるかとか 逆にどれだけお金や力があればどれだけの寿命と交換できるかとかが書いてあるんだ」

「どれどれ...寿命は全てを売ることはできません...最大でも残り1年は残してください...か

つまり最大でも残り一年分は残さないとダメなのか」

「寿命は買うことが出来ないからな それに50年売ればだいたい1億円だからお金に困ってても最大まで売るやつはいないだろう」

「でも寿命ってのは人それぞれだろ?誰もが80歳まで生きるわけじゃーねー 例えば60歳で死ぬやつが70年分売るってことは出来るのか?」

「その辺は俺も分からない 店員に聞いてみよう あのーすみませーん!」

「はい...なんでしょう...」

来てくれたのは出迎えてくれたやる気のなさそうな女子高生(多分)

整った顔だがそのやる気のなさが全てを壊している

「60歳しか生きれないやつが80年分の寿命を売ることってできる?」

「それは不可能です まず寿命を売るにしても買うにしてもこの‘寿命見える君‘を使います これで寿命を見ることができるんす」

「寿命見える君...なにそれ?ギャグ?」

「君...結構面白い子なんだね...」

「いやギャグとかじゃなくて これが見える君です」

寿命見える君 それは...説明がめんどくさいからドラゴンボ○ルのスカウターみたいな感じの物とだけ言っておこう

ピピピピピピ ピン!

「眼鏡のあんたは78歳 もう一方は83歳 ちなみに私の寿命は53万です」

「なん...だと...」

「うそじゃいボケ」

「君のキャラがわからなくなってきたよ..」

「ちなみにみんなどれくらい寿命売ってんの」

「そういうのはカタログに載ってるよ とりあえず二人とも寿命70年売って‘色気‘を買うんだっけ?」

「違うよ!色気は...十分あるよ!...多分」

「別に恥ずかしがることじゃないわ 実際に80年分売って色気を買いハーレムを作ったやつもいたし まあ1年でしんだけど」

「...バカな野郎だな もっと有意義なことに使えばよかったのに」「まったくだ」

「...寿命を売るという時点で有意義でもなんでもないわよ」


「決めた!おれ~は~決めたんだ!!」

バカでかい声が店内をしずまえり返した 声の主は中年オヤジ

「おれ~は田中~正義~~45歳~ 2年前に結婚し一昨日ついに子どもが~生まれた

だ!が!その子どもは難病だったのさ!明日...いや明後日生きてるのかすら分からねぇ!だから〜我が息子のために俺は!」

そこへ店主が立ち寄る

「自分の命を売ってお子さんの病気を治されるのですね 20年分あれば...」

「いや違う!息子のためいや省吾のために省吾の寿命を最大限売る!」

「は...?」「どういうことだ?」

黙って見てた若者2人も流石に驚きの声が漏れた 

中年野郎はさらに叫ぶ

「俺はよ〜すげ〜貧しい家庭に生まれた 父親はおらず母が全ての世話をしてくれた だから俺は精一杯勉強していい大学に行き大手企業に就職した これで暮らしが良くる〜と思うじゃん!なぁそこの若いの?」

「あ、ああ」

「だがしかし!そこの社長は俺が貧民街の出身と知るや否や雑用ばかり押しつけてきやがった!給料も少なくなり暮らしもキツくなった 母親はいつも言ってた 貧しい家に生んでごめんねって 俺はそんな母親を見るだけで虚しくてやるせなくて腹がたって!母はその頃病気で死んだよ 

だがそんな俺が今日まで頑張れたのが妻...いや風花のおかげだ...風花だけが俺を見てくれた 励ましてくれた!だがその風花も子どもを産んだと同時に死んじまった!」

店内の誰もが男の言葉に耳を傾けていた

「俺は頑張ってきたさ‼︎1人の人間としての”当たり前”の幸せを手に入れるために‼︎だが神はそれを許さない だから俺はどうせ死ぬ子どもの命を売り、その売った金で寿命を買い何もかも忘れて人生を1からやり直すんだ‼︎」

「だ...だが いくら自分の息子とはいえ他人だ 勝手に寿命を売ることは可能なのか?」

「はい可能です」

答えたのはごつい店主

「生後一年以内の子どもになんらかの病気などがあった場合に限り両親の判断に任せます」

「くっ...」「マジかよ...」

「よしここに省吾を連れてくる!」

中年野郎は急いで店を出て行った

「おい店主!いいのかよ行かせちまって!あいつは自分の息子を殺しに行こうとしてんだぞ!」

「これは彼の問題です 私から何か口を出すことはできません 」

「じゃあ女子高生!あんたはどう思うだよ!」

「なんでそんな取り乱してんのよ たまにあることよ...仕方がない事なのよ...」

「クソ...どうしようもないのかよ」

「さっきから黙ってるそこの男子高校生...君はどう思う?」

「俺も決めたぜ」

「?」

「おい そこの女子高生 俺の寿命は何年だ」「ちょっと待って」

こんな時に何をしてんだと内心若者たちは思った

ピピピピピピピン!

「85年よ 平均ってとこかしらね」

「おい店主 俺は寿命を84年分売るぜ」

「な...何を言ってるんだ!」「そんなに金に困ってるのなら少しくらいは援助するぞ 若いが俺たちは金はあるから」

何を言い出すだこのガキは!とりあえず止めなくては...と若者たちは諭し出した

「俺が欲しいのは金じゃーねー」

「じゃあ何が?」

「”力”だよ 世界に復讐する力だよ」

さすがの女子高生も驚きを隠せずにいる

「...本当にいいのか」

店主も少しだけ声が低くなっている

「ああ いいぜ」

「君はまだ高校生だろ!何があったか知らないが早まるな!」若者は必死に止めようとする

「無駄よ...さっきの中年オヤジの目は死んでいた でも彼の目は希望...ではない...けどまっすぐしている」

「じゃあこの棺の中に入ってくれ この中で寿命を取り出しそれ相応の力を与えよう 力は棺が決める事だからこれからどうなるかは俺にも分からん」

「よし行くか!」

「行くな君!」

「君じゃない 俺は”復讐者”だ!」

「何に対する復讐だよ!」

「世界に決まってんだろ」


ズズズズ ドシャーン

棺は閉じられた

 

そろそろこの物語の主人公を紹介しよう

棺に入った青年こと八咫史也(やたふみや)

彼が主人公 そして私は差等蟬(さとうつづく)

女子高生っぽいやつね 学校なんて行ってないけど あの若者2人は...モブよ 名前はあるけど紹介する意味が果たしてあるのかしら

さてこの物語は彼と私の物語 たった一年の物語 今回はここまでで また次の話で会いましょう♡


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Who are you? I am Revenger‼︎ れのんNON @Renon022064

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ