繋がり

人々が活動する前の静かな朝が好きだ

人々が活動を終える静かな夜が好きだ


昼間はあまり好きじゃない

声や雑踏があまりにうるさすぎるから


夕方はさみしい感じがする

その切なさがいとおしい


夕食時はあまり好きじゃない

1人だとどうしていいのかわからなくなるから


人気を感じられなくなるころ

私は活動しだす

本当は寝なくちゃいけない時間なのに

私は活動を始める


春のにおいが好きだ

夏の朝の静けさが好きだ

秋の冷たい風が好きだ

冬の凍り付くような空気が好きだ


年の瀬が近づいてくるとなんだか悲しくなってくる

春は私にとって別れを象徴するものだから


別れの季節を思い出し

かつての友人たちに思いをはせる


かつては私になくてはならない繋がりだったが

今となっては過去の出来事

連絡先を消してしまおうかしら

そうすれば少しは未練がなくなるかしら

幼少期の繋がりなんて希薄だ

たぶん向こうも忘れている

私もだんだん記憶が薄れていっている


繋がりを断ってしまった方が

関係をなくしてしまった方が

なかったことにしてしまった方が

何のしがらみにとらわれることなく

気軽に生きていけるのかな


自分がなかったことにされるのが悲しい

自分を過去の人物にされるのが悲しい

自分の存在を忘れられるのが悲しい

自分も忘れていくのが悲しい

自分に関係のないことだと割り切れてしまえるのが悲しい


相手から悲しみをもらわないために私は人を切り捨てる

自分が捨てられないように

すでに忘れられた人間を思い出させないように

自分が悲しまないように


こうして今日も私は保身に走る

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