ハッピーエンドが書けない

ハッピーエンドが書けない

人様の幸福が描けない

自分の幸せが分からない

自分の中に幸せの引き出しがない

どこを探しても見つからない


物語の主人公に自分を映している

たぶんそのせい

「死=救済」と思っている

たぶんそのせい

綺麗な世界が見えない、聞こえない、わからない

たぶんそのせい

自分に夢を抱けない

たぶんそのせい

人並みの楽しさ、幸福感が分からない

たぶんそのせい


人を幸せにすると吐き気がこみあげてくる

私の世界では人が死に、世界が滅びる

別に人にも世界にも憎しみの気持ちを持っているわけではない

そうなってしまうのだ

私の世界の運命なのだ


人は死に向かって生まれる

生まれた理由などないが、意味を後付けするために生きる

その意味を私は死を以って描こうと思う


幸福は他の人が描いてくれる

ならば私は不幸を描こう

どんなに絶望に打ちひしがれてもそこに意味を見出せるのなら

生きた意味が生まれるのなら

生きたことが間違いなどではなかったのなら

それは何にもまさる幸福にとってかわることができるのではないかな

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