第二章 ラーニーの物語 スクール・ガール

マハーラージャーの娘


 惑星アールヴヘイムンのヴァツサ王国の姫、ラーニーは、敗戦の王国から献上され、清女の位を持つジャーリアとなった。

 そしてアールヴヘイムン地域に一校だけ設立された、レディス・スクールに入学することに……

 ジャーリアであるラーニーは、本来入学する必要はないのだが、今回の献上品は全員、ジャーリアとしての心構えを叩き込むということで、該当学年に入学または編入となったようである。

 ここはジャーリア養成のための女学校、授業は厳しい……でも、それなりにお友達も……


     * * * * *


 西方諸王国が、執政官府の日干し作戦により崩壊、ヴァツサ王国の姫、ラーニーは、敗戦の王国から執政官府に献上された。


 アールヴヘイムン王国連合が崩壊し、アールヴヘイムン世界が執政官府の下に平伏すこととなり、王族の美しい女は、全員ジャーリア(女奴隷)として献上されたのである。


 そのジャーリアの養成教育のために、レディス・スクールとレディス・カレッジが設立されることになり、旧クル王国のフロッグという町に、アプサラス・レディス・スクールが設立された。


 この地のレディス・スクールは十歳から入学、つまり初級小学校卒業となっており、高級小学校と同じく四年制、ここを卒業するとジャーリアになれる。


 レディス・カレッジはこの上級学校で五年制、入学資格はレディス・スクール卒業のジャーリアは無試験、ジャーリアになる資格を持つものは入学試験を受験でき、合格すればジャーリアとなり、レディス・カレッジに入学できます。


 入学資格のないものは、一年のジャーリア予科を受験できます、ただしこのジャーリア予科は相当にスパルタ、難関試験ではあります。

 ジャーリア予科卒業生はレディス・スクールへ編入できます。


 そしてラーニーは、アールヴヘイムン地域に一校だけ設立された、レディス・スクールに入学することに……

 ジャーリアであるラーニーは、本来入学する必要はないのだが、今回の献上品は全員、ジャーリアとしての心構えを叩き込むということで、該当学年に入学または編入となったようである。

 ここはジャーリア養成のための女学校、授業は厳しい……


 ラーニーは当年十三歳、レディス・スクール四年に編入された。


 「ラーニー、ヴァツサ王国の王族の女としての、誇りを忘れないように、フロッグでは寂しいでしょうが、なにかあれば私に相談してね」

 声をかけてくれたスマンさんは、『テンプリンセス』の一人、敗戦の十四王国を救うために身を犠牲にして国民を救ったジャーリアで格子の位を持っています。


 ヴァツサ王国のジャーリアはラーニーとスマンの二人だけ、もっとも他の地域には献上品は一人なんてところもあります。


 この時の献上品でレディス・スクール四年の同学年はアッサカ王族のソミーとマーヒシマティー貴族のウルミラの三人。


 ちなみにですが、アールヴヘイムンの君主は翻訳が難しいのですが、ネットワークではムガル帝国の称号を採用して呼んでいます。


 君主はマハーラージャー、貴族はラージャとし、一つのミニ大陸の王国君主をマハーラージャー・ディラージャ・バハードゥル、その他の王国君主をマハーラージャー・ディラージャ。

 アールヴヘイムンの貴族は三階級だそうで、上から順にサワーイー・ラージャ・バハードゥル、サワーイー・ラージャ、ラージャ・バハードゥル。


 ヴァツサ王国は一つのミニ大陸の王国、したがってラーニーはマハーラージャー・ディラージャ・バハードゥル・クマーリー――マハーラージャーの娘、クマーリーは王女の意味となる――、マハーラージャー・ディラージャ・バハードゥル・クマーリー・ラーニー・ヴァツサとなるらしい。

 といっても、このアールヴヘイムンでは『王女』は『王子』とは違いそれほど優遇されない。

 当年十三歳のラーニーも、政略結婚の道具でしかない……


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