これから執筆を始める方へ~名もなきネット小説家の小話~

神里みかん

第1話 マイナージャンルは不毛地帯

「朝、起きたらPV伸びてるかな……」なんて思って朝起きたら伸びてませ~ん。何てことよくありますよね。Twitterの企画に参加しても、2話で切られたり……中には文章力の問題で切られる場合もあるでしょう。ですが、それだけでないと思います。それはあなたが書いた作品がマイナージャンルだったからかもしれません!


今回、この作品を執筆したのは私がマイナージャンル作品を書いて、時に悲しい思いをするなかで、どうして読まれないのか考えたことを書き残したかったからです。文章力がないから! は所与として、それ以外の原因を考えていこうと思います。



もう一度ことわっておきますと、これは誰かを攻撃するために書かれたものではありません。そして、ここでの小話は先程申し上げた通り、マイナージャンルの方に向けてお話しします。今から挙げるメジャージャンル以外をマイナージャンルとして定義します。


私の考えるメジャージャンル

・ファンタジー

・ラブコメ・恋愛

・青春


上記以外をマイナージャンルとして扱います。なぜ、メジャージャンルの執筆者を除外するのかと申しますと、私が書いたことがないからです。本当にそれだけです! それに、マイナージャンルとメジャージャンルでは読まれない異なる理由がいくつかあると思うからです。


今日お話しする内容はなぜ、マイナージャンルはPVが増えにくく、評価が上がらないかについて話していこうと思います。


まずは、マイナージャンルだからこそ読まれないその理由をいくつか挙げていきましょう!


・世界観などの共有が難しい

・人気作品のおこぼれをもらえない

・そもそも読者層が違う


今挙げた内容の一部はTwitterとかでも見かけて、同じことを言っておられる方がいます。それでは一つ目から


・世界観などの共有が難しい

まず、メジャージャンルが逆に共有しやすい理由を考えていきましょう。


1.世界観が共有できる。異世界系だと中世の雰囲気、青春ラブコメだと我ら知ったる小中高大の生活風景がそのまま流用できます。よって、多少情景描写をしなくても、読者の頭で補完されます。しかし、マイナージャンルはどうでしょうビデオや写真でしか見たことのないような場所で主人公が戦ったり、場合によっては誰も知らない空間で主人公は生きねばなりません。そうなると、説明に文章が必要になりそれを読むのが億劫な読者は消えます。相当な技術がないと興味がひけません。


2.共通の専門用語が使える。例えば、魔法、スキル、ギルドなど共通の用語が使えます。なので、どの作家さんの話を読んでも、登場人物の名前を覚えるくらいで済み、ストーリーのみを集中して楽しめるわけです! これがSFなら人型兵器の名前にMSやKMFなどとつけないといけなくなります。そうなると、読者の仕事で疲れた脳みそは記憶を拒否し、話を理解できなくしてしまうわけです。そして、そのうちこれ人の名前だっけ? 専門用語の名前だっけ? という事態になります。また、別のところで話すかもですが、登場人物の名前も覚えやすいものにした方がいいでしょう。難しい漢字を使うと、最後までなんて読むかわからないまま終わってしまうこともあります。初めにルビ振っても、いちいち確認なんてしてもらえません。アニメや映画でややこしい名前の登場人物が出せるのはセリフとして名前が使われるからなんですね。


3.パターンがわかる。映画を何回も見ていると、ホラーなら「こいつ、次死ぬわ」とか、アクションなら「主人公の上司が裏切者だな!」といった感じに大体展開が読めます。そしてそれが当たったとき、少しアドレナリンが出ますよね! なので、メジャージャンルはよく読まれるため、パターンを読者が理解して読みやすく、読んでて気持ちいい! 現象がおこります。しかし、マイナージャンルは違う! 未開のジャングルにいきなり投げ込まれます。少し元気なら探検する気がおきるでしょう。しかし、現代日本において、社会人の人々は日々の仕事に疲れています。探検するくらいなら、アドレナリンを分泌したいでしょう。(私ももちろん分泌したい)


4.作品の長さが予想できる。これは特に異世界系に言えることですが、売れている作品を見れば、話数がすごいことになっているのが分かります。中には更新が止まっているものもありますが、ほとんどの作品が終わりを決めず続くので人気が出れば話がすごく長くなるのです。なので読者も読み続けるかわからないが、大体話がどれくらい続くか予想できるわけです。なかにはエタるものもあります。エタると物語の結末が発散するように思いますが、読者がエタることを予想していれば、話はエタることが結末として収束します。一方で私たちの作品は何話で終わるかわかりません。10話で終わるものもあれば、50話で終わるものもあります。何話で終わるかわからない話は多少面白くても終わりの見えない仕事に感じるときがあるかもしれません。なので、少し興味持ったけど最後までは無理と離れる読者もいるでしょう。




・人気作品のおこぼれがもらえない


次に話す内容がこれです。よくわからない方もいると思うので簡単な例を!


名もなきG「あー、暇つぶしにようつべ見よう~。おっ! まこうさんがボケモンの新作動画アップしてんじゃん! 見よう!」


-20分後ー


名もなきG「おもろかった! やっぱりまこうさんの動画は最高やな! ナンダは初手たつまいやで! おっと、関連動画に別のボケモン動画あるぞ。なになに、知らん投稿者やな~。でも、すこしまだ時間あるし見よ」



とまあ、こんな感じですね。共通のコンテンツがあると、関連動画見ちゃうのと一緒で、有名な作品読みながら、同じジャンルの無名の方のも読まれるチャンスがあるということです。昔はよくとあるカードゲームの動画を有名無名に関わらず見たものです。ですが、こうした現象がマイナージャンルでは起こりません。マイナージャンルはそもそもくくりが雑でジャンル別検索しても求めた作品がどれかわかりません。


他にも、関連小説という作品ページの下の方で確認できる機能でも全く興味のないものが出てくる可能性があります。私が自身の作品で確認したところ、私がマフィアの殺し屋の話を書いたのに対し、関連小説は異世界ファンタジー4、ラブコメ1です。どこが関連じゃ! と言いたくなってしまいます。私の読んだ他の方の殺し屋の作品は出てきません。このように人の目に触れる機会がメジャーに比べて、少ないんですよね。



・そもそも読者層が違う

例えば、最近売れた銀行員の話みたいなものが読みたいとしましょう。あなたならどうしますか?


A. 図書館に行く


B. カクヨムに行く


たぶん、ほとんどの方がAを選択すると思います。カクヨムに読みに来た読者層がそもそも、マイナージャンルを望んでいないんですね……(だからマイナーなんだろう)


なので、近くに異世界系とマイナージャンルの作品が並んでいると前者を読む方が多い。そして、もし万が一読んでもらえても、読者はカレーが来ると思ったら、ラーメンが来た、みたいな感じでブラウザバックしてしまいます。それに読者層が異なると、(先程と言ってることがかぶりますが)作品が評価できないことが考えられます。映画を見まくって、パターンを覚えてくると、「この映画は○○の点であの映画より優れてるな!」といえますが、マイナージャンルはどの尺度で測ればいいのかわからないわけです。




以上がマイナージャンルが読まれない理由であると私が考えるものです。





最後に


これで、読まれないからと落ち込んでいる方の気持ちが多少楽になれば幸いです。

私たちは確かに読まれにくいでしょう。ですから、ナンバーワンよりオンリーワンを目指しましょう。一人でも、心からあなたの作品は素晴らしいとほめてくれる方との出会いを大切にしましょう。そして究極論ですが「書いてて楽しい」、「これが俺の作品だ」を貫きましょう!


私もマイナージャンルの方と積極的に関わりたいと考え、自主企画開催してきました。以下がその跡地です。


https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054921119362


https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054934292981


そのなかで素晴らしい出会いをいくつもしました。もし、また何か自主企画を開催したらご参加いただけると幸いです。(今は別の自主企画開催のため開催できません)またマイナージャンルを書かれている方とも交流したいと考えています。


今回は長くなったのでここまで、次はまた題材を決めて投稿しようと思います。よろしければどうぞ。


最後にもう一度、これは一部の方を攻撃するために書かれたものではありません。








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