珍しいらしい

彼がお風呂に入るとき、パンツはお風呂場の横の棚に入っているのでそこから自分で出して履いている。そしてパンツ一丁で部屋まで来て、着る服を出す。

彼が自分で選びたいのかなと思って今までしてこなかったが、ある日、何の気なしにお風呂上がりの彼に服を持っていった。そして手渡した。

「花香、今日はすごいじゃん! こんな風に持って来てくれるの初めてじゃない?」

彼は嬉しそうに目を細めて、私の頭をポンポンと撫でた。

私はなんだか嬉しくなって、次の日も次の次の日も繰り返している。

彼にいいように操られているかもしれないけど、でも、彼が喜ぶの、嬉しいんだもん。

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