第五話『人型の利』
(コいつは、何故か力を感じない。何らかの手段、先ほどの認識阻害による奇襲を始め、このプレイヤーは、得体が知れない。見極めてやる)
思考を重ねながら、自身の戦術を開始する。
「……オれ様は、竜の中で唯一人型に変身できる。人型に成れるという事は、あらゆる武装を十全に扱えるという事だ」
「まさか」
ゴールドもその言葉の意味を咀嚼し、意味を得たのか声を漏らした。
「600年前、竜は、負けた。十三俗物帝と俺様たちの戦力値に差はなかった。それでも負けた。……そして、その答えは、武装の差だと俺様は悟った」
虹の竜姫もただ600間、死んでいたわけでは無い。
きちんと【十三俗物帝】クラスのプレイヤーに勝つために対策をしてきたのだ。
「ソれを今から見せてやる。魅せつけてやる」
――その言葉と共に左手の天使剣を天に掲げた。
「
左手に持つ天使剣の権能を発動させる。それは、布石であった。
『ソード・オブ・ラグエル。ウエポンアシスト。スタートアップ』
『抜剣。友愛剣』
天使剣から、電子音声が流れた。
――それを見たゴールドは、少し驚きながら思考した。
(本当にウエポンアシストを使えるか。そしてアノ剣の権能から察するに……)
「AAA
――虹の竜姫が、召喚術を発動すると同時にゴールドも対抗呪文を唱えた。
「AAA
「ナ!?」
――驚愕の声が出る虹の竜姫。
初見で自分の戦術を完全に読まれたのだから、この反応も仕方ないかもしれない。
しかし、相手は、世界大会まで出場するゴールドであった為の不幸である。戦術自体は決して間違っていないのだから。
(やはり召喚術。
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