第四話『不遜』
「その通りだ」
ゴールドも会話に付き合い答えた。
「ソうだろうな。普通のプレイヤーならば、先ほどの攻防で、俺様の誘導系魔法に対して時間凍結だけで済ます」
「ああ、それは悪手だからな。相手が時間対策を持っていると誘導を振りきれない。攻撃が当たる。それがスキになり勝機を逃す、だから最初に誘導を無力化した」
「ソう、この世界に来た大抵のプレイヤーは、この地の弱きものを見て自身の力が絶対だと過信し、時間系魔法を使えば、どうとでもなると思う強いザコが多い」
言い終わると虹の竜姫は、鍔迫り合いをしている
「シゃ!」
その左からの斬撃。それに対してゴールドは、バックステップをして軽やかにかわした。
両者とも距離が離れ、自然と仕切り直しとなった。
「……オ前を【十三俗物帝】クラスの強者だと再認識できた。俺様の全戦力を用いる。お前もそれに相応しい力を振るえ、勿論アノ認識阻害も含めてだ」
虹の竜姫からの称賛と改めての宣戦布告。
自身の不利さえも勘定に入れ、誇りを賭けた戦いへの所望であった。
(十三俗物帝。確か、運営が用意した設定上のプレイヤー集団だけっか……)
「君の言いたいことは、分かった。だが私の本気を引き出せるかは、君次第だ」
しかし、ゴールドは、あくまでも絶対強者としてブレなかった。
実際ゴールドは、まだまだ本気では無かった。
ガチの完全装備状態ではないし、何よりも十八番である、虹の竜姫にも指摘されたアノ認識阻害も用いていなかった。
「オれ様を舐めたことを後悔させてやる、今すぐに」
ゴールドの不遜さに火がついたのか、虹の竜姫は本気を引き出す為に一気に攻勢に打って出った。
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