第5話『レティシアの不安とサウザンド・ドラゴンアーミー』



 ――やがて暫し時間が経ち、王の元をゴールド達は退席し、今はある場所へとレティシアが先導してくれています。 

 

 「――それでは、ゴールド様。ここがお泊りになるお部屋だよ」


 国王との謁見の後、ドラゴン軍団が本格的に進行するまで、王都に留まることになったゴールド達。

 その為、王城の一室をゴールド達に提供することになった。


 現在は、その部屋までレティシアが案内してくれたのだ。


 「ありがとうレティシア。それで現在ドラゴンアーミーは、どうなっているかわかるか?」


 その質問を予期していたのか、レティシアは淀みなく返答する。


 「うん。それがね現在、ドラゴンアーミーの本体は、国境付近を超えて地方城塞都市ヘキチダナに向かっていると王国軍の先駆けから報告があったそうだよ」


 「そうか。総数とかは、判るか?」


 「そうだね~今のところ総数1000匹は、いるのではと報告が挙げられているね」


 「ほう! 千匹! 千竜軍団サウザンド・ドラゴンアーミーだな」


 「はいゴールド様。参ったねぇ~ホント」


 本当に参ってそうに思案顔でレティシアが答えた。


 確かに、竜が千匹である。それも軍団として編成されてである。

 レティシアの苦悩も分かるものである。 


 「まあ、地方城塞都市には、ピースメーカー王国『三騎士』その内の二人がいるから住民の避難が終わるまでは簡単に落とされることは無いと思いたいけど。それでもボクは不安だねぇ……」


 そう言いながら遠くにいる彼らの無事をレティシアは只管に祈るのであった。

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