第二話『彼女のリーリア』
「――それでね。エル。次の土曜日に行きましょうねネズミーキングダム」
「ああ、わかったよリーリア」
先程エルは母親に呼ばれ、彼女のリーリアを自分の部屋に招き入れ遊んでいた。
「リアは、ねぇ。アレ乗りたいなぁ。ゆっくりと妖精さんや、小人さんを眺めるアトラクションのアレぇ」
甘えた声でエルにしな垂れながら楽しそうにエルに休日の予定を話していく。
エルの彼女リーリアは、お嬢様である。
エルも裕福層の御曹司だが、彼女のリーリアは、それに拍車をかける令嬢である。
「エルは、何か乗りたいものあるぅ?」
小首を可愛いく傾げた彼女をエルは、改めて観察した。
服装は、フリフリのゴシックロリータファションのドレス風の洋服を着こなし、髪型はツインテール。
お姫様カットしたゆるふわな柔らかい髪質を活かしている。
髪の色は、色素が薄い茶髪で、銀髪にも見える薄い色合いをしている。
肌は、色白く。きめ細やか。
年齢は、エルと同じ小学五年生だと考慮してもその肌は、美しい。
胸も年の割には、育っており女性を感じさせる丸みを持っていた。
そしてなぜか片眼に眼帯をしている。
エルは、たぶんファションか何かだと思って、特に何も言ってはいないが、少しだけ疑問に思っている。
「そうだな。とりあえずコースタ系」
「そう。楽しみねぇ~」
そう言いながらエルの胸元に顔を頬擦りし、両腕で抱きしめてくる。
「……何しているのよ……エルもハグしなさい」
少しエルの反応が遅れると、少しだけ険の入った自分の彼女であるリーリアの声が、自身の胸元から聞こえてきた。
目線を下げると彼女と目が合ってしまった。
「――」
そのリーリアの眼は、何だかハイライトが欠けてしまったかのように暗かった。
「ああ」
少し慌てて彼女のリーリアをハグする。
そして改めてハグしながら彼女を見ていると、気づいたこともあった。
(あ、ブラットムーン姉妹とリーリア、見た目が似ているな)
別に彼女があの姉妹NPCの作成者というわけでは無い。
だが偶然の一致は、日常に少しの驚きと感動をエルに与えた。
それ程に異世界ステージの彼女たちが生き生きとした存在なのだ。
そんな事をエル少年が考えているのが不味かったのか、リーリアが声を掛けた。
「エル……相変わらずネットゲームなんてやっているの?」
ハグしながらそんな疑問の声を彼女が挙げてきた。
これは、不味いぞと思いながらエルは対応する。
「そうだね……」
そんなエルの受け応えが不満なのか、さらにリーリアは追撃してきた。
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