第15話『現地にはルシタニアていう神がいるらしい』







 「そして、この神の一人。ルシタニアという堕天使種の女が、どうやらこの世界に魔法と神の贈り物ギフトを現地人達に広めたらしいですわ」


 「ふむ。現地人のメイド姫騎士レティシアからもルシタニアに関して聞いたな。ピースメーカー王国では、その堕天使を崇めたルシタニア教というものが国教にもなっているらしいな」



 「はいゴールド様。それに対して救世神国は、セブンメサイア教が国教な為に両国間で神の解釈の違い、多神教と一神教の違いからくる宗教摩擦が起こっているとのことですわ」


 聞いてみれば、よくある話である。

 唯でさえ隣国同士というものは仲が悪くなるのに、宗教摩擦まで起こればさもあり何である。




 「次にあの下等生物どもの所属する組織について説明しますわ。救世神国の軍事組織の一つである戦術天使団エンジェルアーミーに籍を置いていたようですわね。まあ、正直言って我々の脅威になるようなものではないですわ。一応資料も用意しましたが如何しましょうか?」


 「いや、時間がある時に見る。アレ程度に時間をかけるのは馬鹿らしい。次に行こうか」



 「はいですわ。下等生物共を尋問や拷問をする前に、Aランク魔法マギアの情報漏洩防止用の死の呪いが掛けられていたので、AAランク魔法マギアで解除致しましたわ。このことからも分かる通り周辺諸国では、彼らは一応最高の魔法戦力を有している可能性が高いですわ」 


 「確かにな。たかがBランク魔法マギアで人類最高峰らしいからな。ソレを考慮すれば救世神国は、強国なのだろうな」



 そんなゴールドの感想に、輝夜が甘ったるい声で感想を返してきた。


 「うふふ。お父様ぁ。でも良かったのぉ? 神官達との戦いやドラゴン軍団との戦いでも監視されていたわよぉ。その強国の救世神国からぁ?」 


 「ふぅ。強国といってもプレイヤーに対してAランク魔法マギアなっていう半端な監視魔法を行使するような組織だ、全く驚異ではないな、自由に見学させとけ」



 「うふふ。まあ確かにぃ。それに此処まで転移移動の追跡も出来てないようだから脅威でないわねぇ」


 輝夜も一応確認の意味でゴールドに尋ねたのだろう、軽い感じで納得した。


 「それでは次に――」

  

 こうして彼らサタンパーティの異世界対策会議は、筒がなく進んでいった。

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