蝶々
それから父から頻繁に連絡が来るようになっていた、父はほぼ何も持たずに実家を出ていった私がとてもお金に困っていると思っていたらしく、酔ってコンビニで買ったアイスやお好み焼きパスタなどを持ってよく遊びに来ていた。ほどなくして障害年金が通り文字通りの年金暮らしになっていた、週3程度玩具屋さんでトレーディングカードの倉庫の作業などをするようになり、もう健常者として働き続けなくてもよくなっていた。それから四年ほど経って父が孤独死したと聞かされた。母の時は私のピアノで送り出した葬式、今度は家族葬だった。あまり遺産でもめることなく兄弟となんとかうまくやっていたが借金を作っていた親戚がそのお金を踏み倒したり、保証人になっていた親戚が私のところに押しかけてきたりなどということがあり精神病だった私が体に不調をきたすようになりかかっていた糖尿病内科で詳しく診てもらったのに何の異常もなく、精神科に問いあわせるとストレスとのことだった。親戚たちは何故、障害のある私に迷惑をかけるのか、本当に理解ができない。シューベルトのアヴェ・マリアが優しく私を包んでくれいてた。この世の汚い大人たちのことなど気にするなとでも言わんばかりに。
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