第42話 到着!(2)
「よっと。本当にお疲れさま。お兄ちゃん、ついに着いたんだね」
「そうだよ……ようやく着いたんだよ。長かったね」
「ここがヴィークくんが言ってたところなんだ」
村のど真ん中に降り立った3人。コルン村の時は少し離れたことろから歩いたけれど、今はそんなことする必要はない。
「さてさて、誰か人はいないかな」
そう言って村を歩き出すヴィーク。まだ着いたばっかりで不安があるアインはヴィークの横に離れないようにぴとっとくっつく。アリスは不安はないけれどぴたっとくっつく。
少し歩けば一人の女の人の姿が見えた。その人はアリスよりは年齢が上だろうがかなり若いように感じる。ただびっくりしたのはその女性が弓を持っていたことだ。
「ちょっとヴィーくん。あの人武器持ってるよ。大丈夫なの?」
「うん。大丈夫だよ。たぶん狩りの帰りじゃないのか」
ヴィークはそう言うとその女性に近づいで声を掛けた。
「あの、もしかしてルーシーさんですか?」
「あ、あー! ヴィーク君じゃないの! 久しぶりねぇ! こんなところに来るなんてすっごくびつくり!」
振り返った女性は長い髪をなびかせて、ヴィークの顔をみれば驚いたような顔をした。そして思い出したかのように、確信を持ってヴィークと名前を言った。
「覚えててくれたんですね。お久しぶりです」
「うんうんっ! 久しぶり! あれ、横にいる女の子は?」
ここで初めてアインを見たルーシー。
「えーと、俺の妹のアインです。こちらがアリスです」
「アインです。初めまして」
「アリスです。よろしくお願いします」
そう言ってペコリとお辞儀する。
ヴィークの紹介にまたまた驚くルーシー。まさかヴィークが女の子2人を連れてこんなところに戻って来るなんて。
「まさかこの女の子がヴィーク君が言ってた妹さん? ヴィーク君が言ってた通りすっごく可愛いね。なるほどなるほど。アインちゃんでいいいよね。ヴィーク君ここにはあんまり居なかったけど、ずっと心配してたり、可愛いとか言ってたんだよ」
「えっ!? それ本当ですか!? お兄ちゃんお兄ちゃん! そんなこと言ってくれてたの?」
「え、あぁその……はい。言ってました」
恥ずかしい。本人がいないところで惚気てたのがバレるのが。これではシスコンだと思われてしまう。(もうバレている)
「もうっ! お兄ちゃん私のこと大好きだね。私、すっごく嬉しい」
アインもここまで自分のことを思ってくれていると知って顔を赤くする。ただそこまで思ってくれているなら恋人になって欲しいとか言ってくれて良いのに。それかもっと正面から言って欲しい。
「あぁもう! 今はそういうのは禁止! ルーシーさんも良いですね!」
2人にブーイングを浴びながらも話を逸らす。今はこんなことをしている場合ではないのだ。
村の人たちに挨拶もしないといけないし、泊まるところも探さないといけない。
でも、これからはここで楽しい時間を過ごしていけたらいいな。そう思う。
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読んでくださりありがとうございます! カクヨムコンテスト締め切りまで残り少しとなりました。これからどんどん更新していきますのでよろしくお願いします。
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