202010 ジャパロボ 36

渋谷かな

第1話 ジャパロボ36

「当たっちゃった。超長距離なんだけど。」

「さすが麻理子さん。」

「間に合って良かった。まさか優子が、あんなにボロボロにされてるなんて。」

 現れたのはすずと麻理子の二人だった。

「間に合ったんだな・・・・・・。」

 優子は千葉県代表のジャパロボが助けを呼んできてくれると信じていた。仲間だから。意思の強い優子は心がブレることはなかった。


「た・・・・・・助けてください!」

 回想が始まる。

「あれは千葉県代表のジャパロボ!?」

「大丈夫か!? 何があった!?」

 1機のジャパロボがバテバテで駆けてやってきた。

「優子さんが危ないんです! 助けてください! 助けてください! 優子さんを!」

 共に戦った優子と関東ブロックの仲間たちには相手を思いやる友情が芽生えていた。

「優子に勝てるジャパロボなんて私たちしかいないと思うんだけどな? 状況を久美ちゃんに聞いてみるか。」

 自衛隊無線、久美チャンネルをつなぐ麻理子。

「おまえ! こっちが何回も連絡してるんだから出ろよ!」

 久美は怒り狂っていた。

「ど、ど、どうしたの久美ちゃん!?」

 耳がダンボになる麻理子は呆然とする。

「四国代表はエジプトのテロリストだったのよ!」

「テロリスト!?」

「早く優子の救援に向かいなさい!」

「はい!? 了解!?」

 初めて状況を理解した麻理子とすず。

「悪いけど、この二人の面倒を見ていてもらえるかな? 絶対に起きないけど。」

「zzz。」

「わ、分かりました。」

 こんな状況でもさとみとイリスは眠っている。

「いくよ、すずちゃん。」

「はい。麻理子さん。」

 こうして二人は優子の救援に向かった。回想終わる。


「よくも! よくも! 優子さんをやったな! 火の精霊サラマンダー・ファイアー!」

「ギャアアアアアア!? 神よー!」

 すずのジャパロボが火の鳥を放ちポイズン・スコーピオン・エジロボを焼き尽くす。

「優子、優子、大丈夫なの?」

 麻理子が連絡がないので優子のジャパロボのコクピットをバキバキっとこじ開ける。

「zzz。」

 安堵した優子は力尽きて意識を失っていた。しかし、その表情は良い夢を見ているかのように微笑があった。

「あら? 寝てる。優子にも祐奈教官の遺伝子が感染したのかしら?」

「zzz・・・・・・もう食べれませんって・・・・・・七軒目いくぞ・・・・・・zzz。」

 もちろん祐奈は終始眠り続けている。

「全国ジャパロボ大会第1回戦第1試合は関東ブロックの勝利です!」

「やったー! 勝ちました!」

 辛くも勝った関東代表チーム。これからも全国ジャパロボ大会は激闘を深めていくのであった。

 つづく。

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