第76話 予想外
「琉美に良いところ見せればいいさー」
ナビーがそれだけ言うと、ケンボーはやる気満々になっていた。
太陽の光が夜空に
「琉美さん。
「ち、
俺とナビーはヒンプンシールドで石垣を超えられる階段を作った。
待ちきれなかったのか、白虎に乗ったケンボーは直ぐに階段を駆け上って行ったので、俺たちも慌てて追いかけた。
すると、前を走っていた
「待て!」
不意をつき奇襲をかける作戦のはずが、
俺たちの方が意表を突かれて固まっているのをみて、天邪鬼は
「ハーッハッハ! まさか、戻ってくるとは……とでも言うと思った? お前らの考えくらい心を読まなくてもお見通しだよ。それに、先輩も応援に……ってお前、少しは話を聞け!」
ケンボーと白虎はこんな最悪な状況もお構いなしに、自分のターゲットである天邪鬼に向かって行ってしまった。
……この状況で突っ込むって、心臓に毛でも生えているのか?
「はーっし。少しくらい
「城を
……そうだった。今は
「琉美は白虎に乗っていないぶん機動力がないから、無理に近づいて回復しなくてもいいからな。忠さんの指示で動いてちょうだい」
「わかった。あの
俺とナビーは
明らかにみんなをばらけさせる攻め方をされて、4か所の戦場ができている。
息があっていないのが、天邪鬼からしたら対処しにくいみたいで、善戦しているみたいだった。
……
俺はセジオーラを使いつつ、
その時、背後に強い殺気を感じたので、振り返りながら抜刀したが空を斬った。
殺気を放っていた影はさらに背後に回り込むと、俺のターゲットの
「ハッハッハ! おいらがいることも知らずに、勝てる気でいるな。お前はおいらにとって1番の敵になりそうだから、ここで殺させてもらうよ。首里城での戦いの続きをしようか!」
……クソ!
「
ケンボーから逃げて来た
「それが、あの男は頭を使って戦っていないみたいで……」
「勝手においらの心を読んで答えるな! 気持ち悪いんだよ! お前の能力と相性が悪いなら、おいらがあの男を殺してくる。他はお前の仕事だ」
「ありがとうございます、先輩。言葉はきつくても、思いやりがある事、僕は知っていますから」
「バカ、仲間の心は読むなって言っているだろう! だから、お前は嫌われるんだよ」
俺と戦うはずだった
……こいつ、能力のせいで仲間から避けられているのか。かわいそうに。
「勝手に
すると、金棒が伸びて届いてきたので
視野が広がったので仲間を確認してみると、ナビーが
琉美と
俺がここで負けてしまったら、この戦い自体の敗北になると感じてしまった。
……全力でやれば、何とかなるだろうか?
「無理だね。
その時、城門がある方角から力強い声が響いた。
「無理
そこには、
「
シーサー兵が戦場に流れ込んできて、グルグルとかき乱したと思ったら、いつの間にか俺の元にみんなが集まってきていた。
「
「
シーサー兵の登場で、戦場の流れが明らかに変わった。
そのまま戦うと、
そして、残る
「バカが。雑魚が増えたところで何も変わらない。皆殺しって痛いです! 何するんですか先輩!?」
「バカはお前だ。ここは引く」
「どうしてですか? 3将軍である僕たち2人なら、勝てない敵ではないですよ」
「いや、あの援軍の存在は大きい。見た感じだと、小鬼を全滅させるくらいは強いだろうな。そもそも、お前に勝てる作戦を立てたから、こいつらは戻って来たということを忘れるな。お前が敵から援軍の存在を読み取っていたら勝てたかもしれないが、仲間同士で知らなかったみたいだから、今回はしょうがないさ」
「そういえば、前任の
「
「ほかの城を落として帰ろうかな……」
「か、勝ったぞ……やっと戻って……」
「3将軍を追い出し、
『うおおおおおおおおお!』
シーサー兵と共に
いつもはクールな
「
「まだ、残党がいるかもしれない。見つけ次第
その姿を見た兵士の中には、号泣しながら任務に向かって行く人がいて、その光景を見たナビーがつぶやいた。
「元
「それもこれも、
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