タイツを履かずんば人にあらず
@uhahahakawauso
第1話俺がタイツ好きであるために
「タイツ」それは人類の有史以来、数多の漢たちが追い求めてきた至高の存在…
この現代の日本に生きる普通のように見える男子高校生、平時忠もそれらの漢のうちのひとりだ。学校に行くときでさえタイツをはいているこの敬虔なタイツ信者には
はたしてどのような試練が待ち受けているのだろうか。
「あ~学校だるいわ~。空からタイツが降ってきて休みにならんかな。」
モブAみたいな独り言を言いつつ、いつも通りの通学路をいつも通りに登校する。
平凡な人生を送る俺には、ばれたら確定演出村八分なやばい秘密がある。それは俺が学生服の下に「タイツ」をはいていること。俺がが敬虔な「「「タイツ趣味者」」」
であることだ。
俺の名前は平時忠。同姓同名の人が少しばかり有名なことを除けばごく普通の高校
一年生だ。小学生のころ、母の新品のタイツをはいたことによって神の啓示に
気づいた俺は、日常生活においてタイツを肌身離さずはいているか持ち歩いている。
「ああっ!学生ズボンとともに脚に伝わるこの感触っ。たまらな…」
バシィッ!
いきなり後頭部をカバンのようなもので殴打された。痛くね?これ?
「朝っぱらからなにぶつぶつ言ってんの。マヂ気持ち悪い。」
話しかけてきたのは幼馴染で同じ高校の藤原領子。実は唯一、僕の秘密を知っている
いや、知られてしまったむっちりしたタイツが映えそうな足を持つ女子高校生だ。
「ふざけんな、痛すぎだわ。」ダルそうな調子で俺は言った。
「あっれれ~そんな態度とってもいいのかな~?入学早々君の楽しい学園生活、
終わらせちゃってもいいの?」あおるような口調で領子が返す。
ぐぬぬぬぬ。腹の立つやつだ。後で覚えてろよ…
「マサカ、リョウコ様ニサカラオウナンテミジンモオモッテマセンヨ。」
怒りを隠しつつ、機械的(物理)に答える。
「ふ~ん。まあ今回は大目に見てあげる。ってかこんなところで悶えててもいいの?そろそろ急がないと遅刻するわよ。」
「マジかよ、早く言ってくれればいいじゃん」
二人で学校に向けて走り出す。通学路にある店頭にタイツが並ぶ店に目を奪われ、
時間をとられたものの、ギリギリで遅刻することはなかった。
「じゃあ、私は別のクラスだから。勝手に一人で帰ったらばらすからねっ!」
結構な距離を全力疾走したのに疲れた様子を見せずに、重たすぎるくぎを刺して領子は先に行ってしまった。
「なんで同じ帰宅部なのにあんなに体力あるんだよ。」
明日から運動をしようとやりもしない目標を立てつつ、教室に入った。
「おはよー、悪別当。遅かったじゃん。」
俺に声をかけてきたのは高校から知り合った、松井和正。歴オタのくせにもてる。なんて羨ましい。俺はこいつに昔の方の平時忠のあだ名で呼ばれている。
「この『悪別当』ってあだ名ひどすぎだろ。そろそろやめてくれ。」
「まあまあ、そんなに怒りなさんなって。このあだ名には『峻厳な』っていういい意味もふくまれてるんだぜ。」和正が怒る俺をなだめるように言う。
俺に峻厳要素なんてどこにあるんや…「はぁ」とため息を漏らしつつ自分の席つく。
まだ四月。友達と言える人は領子と和正の二人しかいない。これからはタイツをはきながら、勉強も恋愛も、そしてこの秘密を受け入れてくれるタイツの映える女の子とカップルに………ん? 机になかに手紙のようなものが入っている。
ドックン!?こここ、これはままま、まさかのお手紙!?封筒に書いてある「時忠君へ」は明らかに女性がかいたような文字っ!
これは…入学早々きちゃったかぁ~モテ期がよぉ。
にやけそうな顔を隠しつつこっそりと手紙の中身をに見た瞬間、戦慄した。
なぜっ!なんでっ!領子以外にはばれていないはずなのに…
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平 時忠
あなたの秘密を私は知っています。
もし夏休みまでに私の正体を見破れなければ、
あなたに幸せな学園生活はおとずれないことでしょう。
タイツ…好きだよね?
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おれはあまりのショックで座ったまま机に倒れてしまう。薄れゆく意識の中、先生と和正に保健室に運ばれ、とうとう気絶してしまった。
偉大なるタイツ様、これから俺の学園生活はどうなってしまうのでしょうか。
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