古代魔法で魔物を片づける

 ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!


 王国アーガスには多くの蠢く魔物が存在していた。その多くが元はこの王国の国民であった。国王の魔力により魔物と化してしまったのだ。


「くそっ! 切りがねぇぜ!」

「本当よ」


 Sランク冒険者パーティー『四聖竜』も魔物の討伐に駆り出されていた。魔物はそれほど強くない。しかし、数が多いというのはそれだけで厄介であった。

 なかなか物量に押され、根本となる発生原因を叩けないでいた。

 この場合元国王である。


「くそっ!」


 ゼネガルは幾度目かもわからぬ剣を振るった。


「疲れるぜ」


 流石に肩で息をしていた。ずっと攻撃しっぱなしだったのだ。

 ――と。


「てやあああああああああああああああああああああああああ!」


 叫び声が聞こえた。剣が走る。


「嬢ちゃん達……エルクさん」

「ラブリーラビット……いえ、今は黄金の原石だったわね」

「皆さん! 助けに来ました!」

「助けに来てくれたのは正直嬉しい。見ての通り数に押されて手一杯なんだ」


 ゼネガルはお手上げという感じだった。


「そうですか。イシスさん、出番ですよ。古代魔法の力を手に入れたあなたならきっと我々に活路を開けるはずです」

「はい! 先生! 古代の勇者アレク様から授かった古代魔法と、先生から頂いたこの魔力のリングがあれば」


 イシスは構える。

 目の前に見えるのは壁のようにそびえる無数の魔物達だった。


「大爆発(エクスプロージョン)!」


 イシスは古代魔法大爆発(エクスプロージョン)を唱えた。

 ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!

 大爆発が起こる。


「うわっ! すげぇ! 爆風だっ!」

「ええっ! 凄い威力よ。この威力はEX相当」


 四聖竜も面を食らっていた。


「なんだよ、嬢ちゃん、すげぇじゃねぇか。いつの間にこんな魔法を覚えたんだ」

「つい最近です」

「本当、すごいわ」


 今のであらかた、障害となっていた魔物を片づける事ができた。


「それより、進路はできました! 皆さん行きましょう!」

「「「はい!」」」

「やっぱり、イシスさんに出番を取られていますーーーーーー!」


 リーネは涙を流した。


「私がコツコツ稼いだ先生への好感度が根こそぎ奪われていきます」

「そもそも稼いできた好感度なんてあるのかしら?」

「それを言わないで下さーーーいリーシアさーーーーん! 泣きたくなりますうううーーーーーーー!」

「いいから、行きますよ。四聖竜の四人はもう行きましたよ」

「「「はい」」」


 黄金の原石の四人は元王国アーガスへと侵入していく。今は魔国アーガスというに相応しかった。

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