王国は滅びの危機を迎える

「……くそぉ。騎士団の半分くらいが脱退していったぞ」

「半分の残って御の字といったところでしょう」


 国王と統括大臣の会話である。


「くそっ! どうすればいいのだっ! 高々錬金術師一人いなくなった事でこんな事になるとは思ってもみなかったわ! 完全に奴をなめていた!」


 国王は激しく後悔をしていた。そんな時の事であった。国王の元へ更なる悲劇が襲う。


「国王陛下! 大変であります!」

「なんじゃ。聞きたくないの」

「隣国が攻め入ってきました!」

「な、なんだと、なぜじゃ。今まで隣国が攻め入ってくる事など一度としてなかったというのに」

「恐らくは騎士団の戦力が大きく低下した事が知れ渡ったのでしょう。アンデッドとの交戦で多くの死者、負傷者が出ました。その上で多くの脱退者が出たこの国はもはや侵略戦争を起こすに持ってこいの格好の餌食となったという事でしょう」

「なんだと! まさかあんな錬金術師一人を追放したくらいで、こんな事になるとは夢にも思ってなかったわ!」


 国王は激しく後悔した。だが後悔をしても時既に遅かったのだ。王国は今滅びの危機を迎えているのだ。


「こんな事になるくらいなら。こんな事に……ちくしょう! 残った騎士団及び兵士を出撃させろ。時間を稼げ」

「国王陛下! どこに行かれるのですか!」

「うるさい! 貴様に話す事などないわ!」


 国王は地下の宝物庫へと向かう。そこには王国に代々保管されているある秘宝があったのだ。国王はその秘宝を使うべく、宝物庫へと向かった。

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