第二十一話 スターダスト3



風雨にさらされる船上に戻ると携帯の履歴には、ダイスケからの着信履歴がいくつも残っていた。メールでは連絡できないから電話をくれと言う。   

商社でサウスアジアを担当するダイスケは汚職がらみでスキャンダルとなったこのプロジェクトを必死で支えようと動いてくれている。


船内の畜電制御エリアに戻りびしょ濡れの頭髪を油まみれのタオルで拭きながら電話をした。


-ダイスケ!すまない、俺だ。


-ワタルか、前に話したうちのエネルギー部門からの機密情報なんだが・・・

 インド支局が例の3000億円投資のキーマンを特定できたらしい。うちの副社長も

 動いていたがチャイナスクールの政治家筋も絡んで苦戦を強いられていたんだが


 このプロジェクトを一番に指定してきた。



-どうして・・・


-日本人だったんだ・・・インド工科大学のムンバイ校を数年前にでたという。学生の

 時にトトグループ総帥の息子との縁で日本関連のビジネスについて信任が厚いよう

 だ。


 写真を見て驚いたよ・・・


風雨が激しくなり船内の揺れで思うように画像ファイルが開けない。ファイル名は、w_stardust(ウィズ スタ-ダスト)。









サブロー?!・・・ なのか?・・・


高校生だった。十何年も前のことだ。キャンプの翌朝、駅のホームで皆で抱き合った分かれ際に言っていた。


-ともだちばい、おいたち・・・いつまでも・・・ずーっとともだちばい。





何人かと笑顔で映るスマホの画像からその時の声が聞こえてきた。





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