第65話 星々のまたたき 夢の続き 果たされた約束(追記ありです)

「彼クリストファルは僕の先祖かも知れない!! 名前に憶えがある!!

どうしよう ああだと、したら・・なんて重い罪だ・・・とにかく調べる!」


レーヴの手を握り 黙ったまま首を左右に振るファリ


「クリストファルは恐ろしい とても重い罪を犯したが

俺達の本来の惑星の者達を救おうとしたが為の罪だ

遺体がないのは 埋葬した証・・許してる」


「仮にそうだとしても お前は優しいから お前やお前の父も傷つく

皆 残らず傷つく いずれにしろ この船の情報は連邦に知らせる事になってる 


惑星の民が皆知る事になる

お前達に害がおよんだらどうする気だ?


お前の妻・・

俺の妹リリーシュも子供達のアレストやエラスにリリシュも巻き込まれる

レーヴ・・お前自身には関係ない話だ

それにまた天空人達に俺達は救われた・・」


「・・・先祖ファリアスの話した通り 水が絶え絶滅の危機だった

そして念願の再来の約束も無事に果たした」


「レーヴは緑の守護者だ・・この惑星の緑と水を蘇らせて 

新たな作物も沢山創り出した


それだけじゃない・・

レーヴは あの数年間の磁気嵐の中で 

惑星に残されていた俺の妹や沢山の人間を護った


ドームの幾つかも 水の塔の幾つかも護り 

時に修繕した あの磁気嵐の大変な状況で手助けもなしに」


「・・・それにレーヴ

先祖ファリアスも言っていた 来世があるならやり直そうと


もし子孫なら

俺の先祖ファリアスの望みを叶えた・・それ以上の事をした


お前の先祖の可能性なんて他の者達に話はするなよ!約束だ!


ああ・・コピーが済んだな・・帰ろう 俺達のドームへ

我が家へ・・レーヴ?」


泣きながら何度も首を縦に振りコクコクと頷くレーヴ


ポンと肩を叩く


「動けるな? 俺の母に似た人のコピーも宜しくだ」

頷くレーヴ


小型艇に戻り 大昔の天空の船(宇宙船)を後にする


口下手なファリから話を始めて 昔 初めて会った時の思い出話やら

様々な話で盛り上がる

少しお腹が空き 砂魚を少し料理したり


ナギやファリの妹たちのお手製のお菓子や飲み物を頂く


その間にもレーヴはデータを纏め 更にこっそりのコピーやら

報告書類を準備している ドームに帰る頃には全て仕上がるだろう


小型艇を本部に渡し 報告書類に船のコピーデータを全て渡すと

車に乗り ドームの自宅に直行する 自動運転の車の中でレーヴが秘密のコピーを渡す


「そのうち大ニュースになるな・・歴史に残る」ファリが呟く


「うん そうだね・・あの水の神の生贄の儀式で部族間の戦いや争いも

犠牲者達 被害者達も半端な数じゃないから・・何百年も続いたし


ファリ達やナギ・ナジュアリ・・他にも未だにその深い傷に苦しんでいる」

レーヴ


「ああ そうだな おっと 着いたぞ

皆も出迎えてくれている」


「ナギも来ているねファリ ふふ 今晩もデートかな?頑張ってね」レーヴ

黙って赤くなるファリ


「お帰りなさい!ファリお兄ちゃん レーヴうう」

レーヴにしがみつき キスをするリリーシュ


子供達も 一斉に抱き着く


「はあ~い ただいま 僕の愛しい妻リリーシュに

可愛い子供達アレスト エラス リリシュ」

嬉しそうなレーヴ


「ファリが取ってくれた大量のサマク砂魚のお土産もあるぞおお」


「おおおっ ファリお兄ちゃん凄い 流石ね・・うふふ 今晩のご飯に加えるね」


「・・・ファリ お帰りなさい」

ナギ・ナジュアリが赤くなりそう言うと そっとキスをする


「おおっ!」レーヴ達が笑って二人を見守る


「ファリお兄ちゃん お兄ちゃんの子レム

ちょっとまだ御眠むみたいで 寝てるの・・夕飯には起こすからね」


「了解だ 有難うすまないな」

「いいのよん 気にしないでね ファリお兄ちゃん」


「あのねファリ 御話があるの」ナギ・ナジュアリ

「何?ナギ」ファリ


「ええっと・・その」赤くなるナギ・ナジュアリ


「あ、じゃあ 棒らは先に家に入ってるから

後でね 二人とも・・」レーヴが気をきかせて 皆と家に入る


「今晩も一緒・・出来るファリ?・・それとね

私 一人で育てるつもりだから・・

私の仕事 音楽の仕事 作曲や教師 結構御給金高いから大丈夫

その、出来たの・・赤ちゃん」真っ赤になるナギ・ナジュアリ


「え、そんな どうして? 僕らで育てよう!

結婚しよう

お腹が大きくなる前に 僕とエルの子レムも喜ぶ

前からナギを慕ってたし 弟か妹が欲しいって言ったぞ」


「・・いいの? こんな私でも・・本当に・・沢山の・・あ・・」

キス・・デイープ・キスをするファリ


「・・・こんなに綺麗なナギに愛されて俺は幸せだ

余計な心配しなくていい・・今晩・・本当に大丈夫か?身体に触らないか?」


「うん・・大丈夫・・でね

女の子だったら 私の姉さんかファリのお母さんの名前をつけたいの

二人の分まで幸せにしたい・・」


「うん そうだ

ナギみたいに二人の名をつけよう セカンド・ネーム

確か二人の名は男にも使えるから 大丈夫だよ」


「もう結婚式の話を皆にしていいか?ナギ・・早い方がいい」


「うん、わかった ファリ 嬉しい」

互いに身体を抱き寄せて 手を結びあう


「今日のお仕事はどうだったの?ファリ」

「いずれ判るよ 今は上手く話す自信がないんだ」


「? 珍しいねファリ口下手でもよく聴かせてくれるのに」


「ふふ まあね・・そんな事もあるさ

さあ お腹すいたんじゃない 俺はもう食べる気満々だよ」

「うっふふ そうだね ファリ」


二人は家へと入る 暖かな団らんの中に包まれる為に

夜空

ドームの中からでもよく見えて 星が煌めき 輝いている


もう誰一人 不毛の砂漠の大地で水や飢えに苦しむ事も

部族間の争いや生贄の儀式で嘆き悲しむ者もいない


秩序のある新たな政府・・安全な暮らし 仕事も沢山あるし

働けない者達の保護や施設も充実してる


数々のドームの中には緑豊かな作物が実り

家畜たちも沢山放牧され・・人々の快適な住まいもある


水の惑星 天空人達と変わらない生活 

彼らの惑星にも行ける エアポート(港)も宇宙船もある


磁気嵐の駆除の術も見つかり 再び砂の魔人(磁気嵐に嵐)に苦しむ事もない


砂漠には人工のオアシスもあり・・そこで安らぐ事も出来る

まだまだ 豊富な鉱物資源やレア・メタルは産出を続けてる

もし 枯渇しても それに代わる産業も大きく育ち始めてる


ファリの先祖達や生贄の儀式を始めた者が夢見た楽園が 今ここにある


FIN




また関連作品もあります 「水の塔のエアリス」  「来世の約束」

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