第48話 嵐の後 再生に向かって

何世代にも渡り 俺達を苦しめた砂漠の魔人

大昔に訪れた善き天空人達を追い払った砂の魔人


きっと奴の悲鳴なのだと・・


基地から歓声があがる 効果はゆっくりと現れる


二週間後  磁気嵐は消えた


惑星に降り立つ事が可能になり 先発隊の一人に俺は選ばれた


「行ってらしゃい 頑張って」 

ナギ・ナジュアナリが 声をかけて 見送ってくれた


「ナギも 大変だが 手伝ってくれている連邦の仕事の方を頑張ってくれ」

「うん、大丈夫 任せて」


シャトルに乗り込み 窓ごしに 俺は彼に軽く手を振る


星の箱舟・・巨大な宇宙船のハッチが開き

3機の先発隊のシャトルが飛び立った。


そうやって

俺は再び 数年ぶりに 生まれ故郷の惑星に降り立った


懐かしい赤と金の入り混じる砂の海 あるいは白い砂の海 

幾つもの水晶の丘に 石油の湧く小さな泉

乾いた風が 吹きすさぶ


足元には あの砂魚サマクが サワサワと音をたてながら

群れて 砂の海から顔を出している


どれだけの生き物が生き延びれたのか・・


俺は不思議な面持ちで 名前を呼ばれるまで 

砂魚サマクをしばらく見ていた


数年前までの俺ファリ 部族の戦士 狩人


そして 今の俺ファリ

ファリ・ナジュム


保護用に建造中だったドームに覆われた

西地域のオアシスの一部は ほぼ無事だった


中には 幾つか ドームの一部が崩れかけた物もあったが 

逆にそれらは

自然界で生きる この惑星の生き物たちの避難所となっていた。


地下都市 東の水の塔 西の水の塔 建造中の幾つかの地下都市


どれも入り口が崩れて入ることは出来なかったが

宇宙からのモニターで 内部の無事だけは ある程度確認出来た


もっとも 完全にモニタリングは不可能だったので

実際状況は不明


星へと降り立ち 幾つかのチームになり それぞれのチームが惑星の探査にあたる


この惑星の住民の無事を信じて 俺の場合は 自分の大事な家族たち

俺は西の塔の方に行く事を希望した・・。

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