異世界 原始の祭壇【魔法のある古代文明で暮らそうと思ったら。UFOがすでに神様やってた、でも気にしない】

もるっさん

第1話 「冒険の香り」 前編

異世界の中にある、また不思議な原始の異世界に元地球人の、ライトという、お兄さんがいた。

彼がいつ異世界に来たのかはわからない、だって 彼は すでにお兄さんだったから。

でも、ある日、ジャングルのとある村に一緒に暮らしたいと現れて、ちょっと離れた洞窟に

家を建て、村人たちと暮らし始めた。

村人から見れば、腰に剣をさげた、ちょっと変わり者なお兄さんに見えたかもしれません。

だけど 人と群れるのは避けているのに、子供たちからは好かれていた。

彼は「竹とんぼ」という おもちゃを考案した天才だったから。



とある日、遠くの森から、恐竜のようなけたたましい声がした。


「ギャォォン!! ギャォォン!!」


村のパパトスさんが 血相をかいて森のほうから村まで走って帰ってきた。


「ラドンだぁあっぁ!! ラドンが攻めてきたぞ!!」



「ラドンだって? 村にまっすぐ向かっているのか??」

「キャー 大変。 子供を連れて逃げなくちゃ!!」


村人たちは 右往左往し始めた。

毛皮姿に布をまとった服を着て 右へ走って家に入り、左へ走って、人に知らせた。

母親は遊びまわっている子供たちを呼び集め、お年寄りたちは村の中央の祭壇に集まった。

そして、若者たちは、石のヤリを持ち、オノをもって、戦いの準備を整えて祭壇に集まった。


村長が 村の者を励まし、支持をする。

「案ずるな この村には若い者たちと、それにライトがおる!若い衆、村の者と村の祭壇を守ってくれ。

わしはみんなを避難させておこう。ポポタムよ急いでライトにこのことを知らせるのだ」



・・・・

俺の名前はライト。元地球人です。

この村に引っ越してきて、しばらく経つけど畑仕事も板についてきました。

作物を収穫するのって、結構楽しいですよ。

昔地球で読んだ本によると 人間には狩猟本能のほかに、採取本能があるらしいので、

ストレスが溜まったときは、スポーツもいいけど「いちご狩り」なんていいかもしれません。

おっと 誰かお客さんが来たようです。子供たちではないようだけど・・・

・・・・


村人のポポタムがかけてきた。

太って割腹のいい体を ユッサ、ユッサ、揺らして走ってきたがどうしたんだ??

「・・・・はぁ はか」

汗びっしょりだ。

話によると、ラドンという ティラノザウルスっぽい二足歩行のモンスターがまた村に向かってきているらしい。

アイツらは この辺のボスだから、村があるなんて気にもしていないのだろう。


「村が踏みつけられる前に 行かなくちゃな。ポポタム!悪いけど先に行くぞ」


俺は マターソードを手に取るとポポタムを置き去りにして走った。

ポポタムは 汗をかいて座り込んでいる。

元々、付いてくる気はなさそうだ。お疲れさん!


・・・・

一方 村では。


「兄ちゃん ぼくも戦えるよ!ぼくも兄ちゃんのヤリを持たせてよ!!」

「お前はまだ大人じゃない!大人じゃないヤツは戦いに来るな!

いいな、お前はお母さんと妹を連れて身を隠すんだ」


ぼっ ぼくだって大人なのに・・・。

・・・・


村人たちは ラドンを迎え撃つために村の入り口に集まっていた。

この村には 投石機が3台ある。

本当は 4台あったのだけど、石と木で出来ているので壊れやすく

こないだ壊れてしまった。


村人たちが何かを見つけたようだ。


土ぼこりの先頭に ラドンが現れた。

無駄に大きなシッポを引きずって 大きな口をだらりと広げてこちらへ突進してくる。

柵なんかも 建ててはあるけど、ラドンサイズのモンスターになると全く役に立たない。

でも 何度も襲われてる村人たちはすでに投石機を備えている。

岩は10発だ。


「投石! 撃て!!」


3台の投石機から飛ばされた岩はラドン目がけて飛んでいった。

頭を直撃できれば 倒せるぐらい大きな岩だ。

9個の岩が飛んでいく


「ギャォォン!!」


体にあたってもそれほどのダメージは与えられずにはじかれているが、

数発の岩がラドンの頭にヒットしてラドンは 倒れた。やったぞ!でも。


「一番 でかい ラドンが残ったっぺが!!」


一番先頭を走っている大きいラドンは足が速い、

投石をすり抜けてこちらへ走ってきてしまった。

こうなったらぁ~とっておきだ!特大の岩を村人は投石機にセットした。

「これで最後の岩だっぺが! 撃て!!」

放たれた岩は 近距離ということもあって狙いはバッチリだ。

大きいラドンの頭目がけて飛んでいった。


頭に直撃したと思ったが

「バキン!」


「あわわわ」

ラドンのヘッドバットで大岩ははじき飛んでしまった。

村人は 大慌て! こんな石頭なヤツは始めてだ!

ほかの ラドンたちも悶絶しているうちに村人でやっつけてしまわなければ

起き上がって襲い掛かってくるだろう。でも そこへライトが現れた。


「・・・ライト! 助かったぁ」


「待たせたな!!やってやるか!」

ライトは ジャンプして飛び掛かると、サヤからガラスのように透き通った黒い剣を引き抜いて

・・。

・。

「ドッカン! ギュルル・・」

大きな、ラドンを倒してしまった。


ライトは剣を掲げて叫んだ

「よしみんな、肉だ!!」

「うぉおおおお!!」

それにつられて、ヤリを掲げて突進していく村人たち。

無事に ラドンの肉をゲットした村人たちの村では 

お肉が焼かれ、一日中煙が立ち上り、宴が開かれるのであった。

「ムシャムシャ・・・」



「煙?あんな所に村があったのね。 ちょうどいいわ がははは」

煙に気付いて村のほうへ進路を切り替える者たちがいた。

一体 何者なのだろうか?? つづく



ライトたちの村に、大国からお姫様と家来の兵士が数人やってきた。

トトッポという 飛べないがコウモリのような翼をもった大きなトカゲの乗り物。

異世界だから見た目は当然、清楚に見える美しいお姫様だ。


「私はマカカオヤ王国の13番目の王女。アーラルよ。ちなみに王位継承権は、ほぼないわ!がははは」

「姫様 笑うときはおしとやかにと、お願いしていたではありませんか?」

「それくらい、いいじゃない。13番目の末っ子は伸び伸び生きていきなさいって、おばばも言っていたわ。

それでそこの村の人! 村長と話したいのだけどいらっしゃるかしら?」


王女様の洋服は、ドイツの酒場のお姉ちゃんが着てそな服。

ディアンドルに似ている。

でも、ここの気候は熱帯、ちょっと暑いところなので、

踊り子の服っぽく涼しくアレンジされていた。

特徴的なのは、リングだ。

トトッポから降り立ったときに、ユラユラと腰に付けている装飾のリングが揺れていた。


でも ごきげんよう、みなさま・・とか 話し出すのかと思ったら 

あの がははは!と笑うのだから、ギャップに驚いた。

多分この人は清楚とは真逆の世界で生きてきた人だ。



王女様が来たときは俺たちの宴も終盤だった。

お肉をお腹いっぱいに食べて 寝転んでいる村人や、モンスターの骨を転がして遊ぶ子供、

それに 俺たちはお酒の後のコーヒーを年配の村人たちとたのしんでいた。

祭壇はピラミッドのような三角形の形だけど、上部のとがった部分がなくて、マヤ文明遺跡に似ている。

階段もあるし、最上部では祈りをささげるようになっている。

この村は豊なので、祭壇も実りほのかに光を持っていた。


俺たちは祭壇の階段になっている場所に腰かけてみんなでコーヒーを飲んだ。

ちなみに コーヒーは俺の家の畑で育てたものだ。

異世界で、コーヒー豆を手に入れるのに どれだけの苦労をしたことか

野山をさんざん駆けまわって、村々を渡り歩いて情報を集めてやっと手に入れたんだ。

それで コーヒーが育って飲めるようになったので第一号は、みんなにふるまっていた。



それで姫様たちの用事というのは 長旅のために食料の補給がしたいということだった。

こちらとしても 大国産の布などと交換してもらえるのはありがたいのだが・・。


交換したほうがいいだろうか??


損はなさそうだ、交換することにした。

俺たちは食料や交換してもらえそうな物資を持ち寄った。

村にお客さんが来るのも久しぶりなことだし 途中からは自慢大会も始まった。

宝物は どんどん積み上げられていった。


でも、アーラル達が出してきたものも負けていない。

王国産の品物は布にしても装飾品にしても一級品の物だった。

これは いい商談になったかもしれないぞ。


・・・・

「こんなところにも祭壇があったとは。しかも満ちているように見える。しかし アーラル・・・」

木陰に隠れて誰かが アーラルを見ていた。魔道具が一瞬、紫に光った。

・・・・


俺たちの品物の質は大変良かったようで、家臣の兵士たちも満足げだ。

うん・・ ここの異世界の人たちって マヤ文明とかメソポタミア文明って感じの人たちだから

素直な人が多いけど、ちょっと 素直すぎる気がする。

だから 地球の知識を使ってもっと交渉してやろうなんて気にはならなかった。


「・・・お腹を壊してしまったのだ」


大国からこの村に来るまでにも、いくつか村によったらしい。

でも 前の村で入手した物資は質が悪くてトトッポがお腹を壊してしまう

ハプニングもあったのだとか。

だから、煙が見えて偶然立ち寄れたこの村は 渡りに船だったらしい。

アーラル王女も満足げな表情で何よりだ。

そして、王女は旅の目的を俺たちに話始めた。


「私たちは「祭事の戦士」を探す旅をしているのよ。

この中で強さを示せる人はいるかしら?

もしも大国で「祭事の戦士」と認められて祭事を行えば 城から望みの褒美がもらえるのよ。

願いが叶うのよ。すごいでしょ?がははは


でも ただ私の兵士と戦っても面白くないじゃない? 

そこで そこに積まれている食料をかけて私の兵士と戦うというのはどうかしら?

さあ この村に勇気がある人がいるなら前へ出てくるといいわ がははは」


あら、あら この村の物資は、なかなか良い物が揃っているじゃない。

次の村でも、この村のように良い物資が手に入るとは限らないし、

後のことを考えたら交換できる品物もできるだけ残しておきたいわ。


そうだ 「祭事の戦士」の試験を使って賭けをしてみましょうか?

見た感じ 太っちょに細っちょにおちびさん。

戦闘訓練なんて ろくに受けたことのない人たちばかりだし楽勝よね。

しかも 村の人って、プライドをくすぐるようなことを言われると

黙っていられない人たちばかりなのよ。がははは



すると 村長が余計なことを言い始めた。

「村の戦士はみんな強い。ほれ そこを見なされ。ラドンの骨があるじゃろう?

村の若いもんとライトが、こないだ森で ちょちょっと狩ってきたのじゃ。ほっほほ」


王女たちは驚いたようだった。

共食いをしていて弱ったところを襲ったとか、トラップにうまく引っかかって狩れたとかじゃなくて

森までちょっと出かけて ラドンを狩ってこれるくらい強いですよ。

っといったのだから ウソもいいところだ。

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