1-8(水)校外研修デース
まさか朝ではなく夜襲われるとは思わなった。
昨日の晩にお風呂に入っていたらリンダが乱入して来た。
そして翌日は校外研修と言う事で朝から忙しいからと言ってお風呂の中で豊胸マッサージを受けた。
「はぁあぁぁんっ! だ、駄目ッ! リンダそんな事しちゃらめぇぇぇぇっ!!」
「良いでは無いか、良いでは無いかデース!」
完全に油断していたけどやられてしまった。
それはもう気持ちよくなるまで‥‥‥ じゃなくって!
効果が出るのじゃないかって感じるくらいまで!!
しかしお風呂で良かったような気もする。
また体が熱くなって汗かいちゃって下着を交換しなくて済むから‥‥‥
あ、汗よ、汗なんだからねっ!!
「はぁ、私どんどんいけない娘になってるんじゃないだろうか?」
そんな事をぼやきながらリビングに行って朝食を食べ、みんなで学校へと向かうのだった。
* * * * *
「えーと、それではこれから社会見学を兼ねて校外研修となります。今回はアパレル産業の工場見学とその歴史について学びます。みんなちゃんと話を聞いてレポートにまとめるように」
引率の先生にそう言われて私たちは近隣のアパレル工場に来ていた。
今の世の中、洋服とかはほとんど輸入だけど生地自体はまだ日本国内で作っているそうだ。
なんでも合成繊維とかは日本で自動化で作ったものが品質的にも機能的にも良くて結構海外でも使われているとか。
私たちは見学コースに並びながら工場を見ていく。
「OH-! 日本の技術は世界一いぃぃデース!」
「リンダちゃん呼吸を整えてオーバードライブだよ!!」
またリンダと紫乃が訳の分からない事を言っている。
私は飽きれながらもどんどん自動化で出来上がっていく生地を見ている。
基本的にははた織りと同じで糸を機械が自動で織っていくらしい。
無人のそれは一定の音を立てどんどんと生地を作っていく。
そして大きな芯にどんどんと巻き取られていく様は見ていても驚かされる。
「確かにこんなの人の手でやっていたら全然終わらないわね」
「でもオーストラリアの羊の毛刈りは全部人力デース」
「ほえ? 羊さんの毛を刈るのって人力なの?」
どうやらウールの採取は未だ人力のようだ。
「でもバリカンですぐデース、早いと数分デース!」
それはそれで凄いと思うけど、羊さんが丸裸にされるのが数分って。
もこもこの羊が丸裸になるのを想像して思わず吹いてしまった。
そう言えば近所の毛の長い犬が夏場庭先で洗ってもらっていると驚くほどスリムになっていたっけ?
あのギャップが可愛いと言うか、犬も見られると恥ずかしいようでそっぽ向くのがきゅんと来る。
そんなこんなでその後の歴史の展示室に行ってみると和服から洋服への技術革新や近代素材への変革などが展示されていた。
「OH-! 和服デース!!」
リンダは一番最初の所に展示されてた振袖を見ている。
そして私たちに聞く。
「これ二百年近く前デースか?」
見れば製造が千八百年代。
確かに二百年以上前のモノだ。
しかし流石は振袖、保存状態も良く色落ちもしていないので今の時代でも十分に使えそうな位に奇麗に保存されている。
「へぇぇええぇ、これって絹織物なんだ~」
紫乃がその説明内容を読んでいる。
確かにエナメルのようにつややかさが残っているのはすごいと思う。
「キヌ? それって幽霊少女デースか? ゴーストをハントする物語のデース?」
「乳尻太ももじゃないよぉ~、これはお蚕さんの繭からとった糸で作られたシルクだよぉ~」
「OH-! シルク! 私知ってマース! 虫の吐く糸デース!!」
リンダ言い方ぁっ!
確かに虫の吐く糸だよ?
しかも蚕自体は見慣れているから意外と平気だけど芋虫だよ?
うっ、そう言う目で見るとなんか気持ち悪い‥‥‥
そう言えば以前エビをずぅ~っと見ていたらだんだん気持ち悪くなってきてエビが食べられなくなった事が一時期あったっけ。
だめだ、深く考えるといろいろがダメになりそう。
「そう言えばシルクはショーツにも使うデース! 私聞いた事あるデース!!」
リンダは自慢げに自分の知っていることを話す。
確かにシルクの下着って有るけど今考えるとものすごいものよね?
虫の糸で下着作るって‥‥‥
思わずぞわぞわと背筋を悪寒が走る。
だめだ、変なこと考えると余計に酷くなる。
私はなるべく考えないようにしているとリンダと紫乃が寄って来た。
「と言う事で、由紀恵ちゃんて今日は何色~?」
「はぁ? 何の話?」
いきなり紫乃が変な事言ってくる?
私は分け分からなくなって首をかしげる。
「私は今日は赤デース!」
「私はねぇ~、青と白の縞々だよ~」
「え? は? な、何??」
「面倒デース、由紀恵の確認するデース!!」
そう言ってリンダはいきなりスカートをばっとめくる!!!?
「#$%&#$っ!?」
それはそれは盛大にめくられしっかりと下着が露見できてしまう。
慌ててスカートを押さえる私。
そして真っ赤になりながら周りを見る。
途端にクラスの男子どもが顔を背け私の視線を外す。
しかしなぜかみんな拳をぐっと握って嬉しそうにしている!?
み、見られたぁッ!!
「ほわいとデース、純情乙女の色デース!」
「白だねぇ~」
「リ、リンダぁっ! 紫乃ぉっ!!」
私の叫び声と逃げ出す二人がいるのだった。
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