#12 映像を文章に変換する試み

 目を瞑る。脳裏に浮かぶものがある。自分の好きな景色だ。

 暗い夜の工業地帯の中心で一際明るく輝いている配管たち。手にフィットするように波打った円形のバルブ、配管から漏れ出る白い蒸気、等間隔に備え付けられた無数の証明。プラントの下にはコンクリートで出来た床が広がり、所々ひび割れ、変色すらしている。銀色のシャッターに閉じられた倉庫、ドラム缶が規則的に積まれた軽トラック。危険区域を表す黄色い線。管制室に明かりが灯り、準夜勤の作業員と夜勤の作業員が何やら大きな声で話しながら引き継ぎを済ませている。

 全てが組み合わさって機能的かつ芸術的な世界を編み上げている。私は絵を描くことができないから、文章で表すしかない。少しでも伝わっているだろうか。


2020年12月29日

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