#7 無差別酔拳
寝ている時は自分の身体を制御することが出来ない。これは厄介なことだ。私は非常に寝相が悪いらしい。中学ぐらいまでは母と父と同じ部屋で並んで寝ていたのだが、その時の寝相の悪さは相当だったようで、よく苦情を言われた。私が幼いときは寝相が悪くても大した問題はなかったが、身体が大きくなってくると振り下ろされる拳やかかとの威力も急上昇する。足が父親の顔に落ちた時はさすがにブチ切れてしまったようで、私の片足に何度も打撃を加えたらしい。私は夢の中で足に痺れるような痛みが走っていたので、きっとそれが原因なのだと思う。
現在は一人暮らしだから寝ている時の私の姿を見る人は誰もいない。一度定点カメラか何かで撮影してみようかと思ったこともあるが、撮影しているということを意識すると普段と違う寝相になってしまうかもしれない。
シュレディンガーの寝相はもうしばらく謎のままだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます