#5 蒙古襲来、神風到来
私は人生の岐路にいた。明日は面接だ。第一志望の企業に就職できるか、ほんの数十分で決まってしまう。私は志望する企業の本社がある東京にいた。初めての就活。初めての東京。慣れないスーツ。外部環境の全てがストレス源だった。このままでは面接が始まる前に精神エネルギーを使い果たしてしまう。食欲もまったく湧かなかったが、何か口に入れておかなければ身体がもたないと思い、私はビル街を放浪した。そこで偶然、気になるラーメン屋さんを見つけた。蒙古タンメンというものを聞いたことがある人は多いと思う。馬鹿みたいに辛いラーメンであり、数多くのファンに愛されている。その本店が目の前にあった。これだ! と思った。何がこれなのか今となってはわからないが、ここでラーメンを頼んで完食すれば明日の面接は合格できると思った。辛いものは苦手なのに何を考えているのか。
無事完食し、面接にも合格した。それ以来私は何かあるたびに辛いものを食べるようになった。
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