　目薬というものはいいものだな。私が薬と認めているのは目薬だけだ。なぜかって？　眼球に垂らした瞬間、それが身体に浸透していることが実感できるからだ。薬が身体の中に入り、細胞１つ１つに分子が取り込まれているのが分かる。飲み薬ではそうはいかない。薬を口の中に入れたって、ただ食道の壁にぶち当たりながら落ちていく感触が伝わってくるだけだ。その後胃を通って食道に辿り着き、そこで吸収されるわけだが、そんなものは脳幹の仕事だから大脳で考える私にはわからない。

　目薬の中でも特に清涼剤が入ったものがおすすめだ。あれは効く。実際は効いていなくても目の疲れやかゆみが引いていく気がする。プラシーボとはこのことを言うのだろう。だが清涼剤が入っていないのはいけない。あんなのはたとえ効能があったとしてもそれが実感できない。

　おっと、蚊に刺されてしまった。酷くならないうちに薬を塗っておこう。おー染みる。効いているぞ。