俺は男嫌いの変態美少女達に好かれてしまったようです‼︎
浜辺夜空
一年生編
気に入っちゃった♡
「なんだこれ」
高校一年生の夏休み明け、昼休みに学校の一階にある自動販売機で飲み物を選んでいる時、俺は見たことのない飲み物を見つけて首を傾げた。
「あんこミルクセーキ‥‥‥あんこ‥‥‥あん‥‥‥」
「
「あん‥‥‥」
「流川!」
「は、はい!」
背後から担任の
「なに喘いでるんだ?」
「違いますよ‼︎」
「ミルクだの性器だの」
「ちょっと黙ってもらえます?」
綺麗な黒髪で、ビシッとスーツを着て厳しそうに見えるが、この通り、先生らしからぬ発言も平気でするし、お茶目な一面を持っている。美人なのに勿体無い先生だ。
「それよりだ。テスト中の居眠りを、私は見逃さなかったぞ」
「よく見てますねー」
「お前は特別だからな」
「どういう意味の特別ですか」
「いや、適当に言ってみただけだ」
「おい!」
「そんな流川に、今日はいい奴らを紹介しよう」
「いい奴ら?誰ですか?」
「まぁ、ついて来い」
「はーい」
担任なのに、朝のホームルーム以外は教室に顔を出さない不思議な先生でもある。だからこの話は危険な気がしてならない。
そして俺は、あんこミルクセーキを買う勇気がなく、1番好きな紙パックの苺ミルクを選び、ストローを通さずに先生に付いて行くと、三階の1番奥の教室の前で立ち止まった。
「ここだ」
「ここ?この教室って埃まみれで、物置になってるって聞きましたけど」
「その噂を流したのは、この教室にいる生徒本人だ」
「なんでそんな噂を?」
「誰も近寄らないためだろうな。さぁ、入るぞ」
心の準備をする間もなく、
「なんだ二人とも、昼飯食ってないのか」
「もう食べました」
そう冷たい声で言ったのは、茶色いブックカバーを付けた本を読んでいて、校則に1ミリも引っかからない長めのスカートを履き、艶のある綺麗な黒髪ロングで、顔立ちが整った美人。瞳は綺麗だが、キリッとした目つきをした女子生徒だ。確か名前は、なんとか
「お昼の冬華ちゃんも可愛い〜!」
そう、可愛らしい笑顔で言うのは、ゆるふわな雰囲気で、ミルクティーのような落ち着いた、優しい明るさの茶髪で、軽く巻いたロングのツインテールの両方に、ピンクのリボンを付け、太ももの絶対領域が眩しい、ミニスカート姿の女子生徒。名前は、なんとか
「あんまり教師をおちょくるな。朝と変わらないだろ。ん?待って?朝の私も可愛いってこと?♡」
両手を頬に当て、ぶりっ子ポーズでふざけた
「おい!待て!」
「嫌だ!」
「捕まえた!」
「早すぎだろ‼︎」
「これでも高校時代は陸上部でな。なぜ逃げた。ちなみに、陸上部ってのは嘘だ」
「なんで嘘ついた⁉︎それより、俺にあの二人を紹介して何する気ですか?」
「なにもしないよ」
「それに俺は、あの二人を知ってます!」
「なんだ?知り合いか?」
「いやいや、
この高校の生徒なら、全員知ってるほどの有名人だ。告白する生徒が絶えないという噂もよく耳にする。ずっとボッチで、クラスメイトの会話を聞きながら昼寝するような俺とは、一生交わらないタイプの人間。むしろ、交わってはいけない気までする。
「なら逃げることないだろ。二人と仲良くできるぞ?」
「なにを企んでるか教えてくださいよ。そもそも俺は女が嫌いなんですよ!」
「ふむふむ。なるホモな」
「今、完全にホモって言いましたよね」
「言ってない」
「堂々と嘘つくな!」
女が嫌いってのも、この場から逃げるための適当な嘘なんだけどね。
天沢先生は自分の腰に手を当て、真っ直ぐ俺を見つめた。
「流川。お前は死んだ魚の目をしている」
「急な悪口」
「と言えば嘘になる」
「ですよね⁉︎してませんよね⁉︎」
「うむ。わりかし綺麗な方だ」
「よかったー」
嘘ついても、すぐにバラすところは憎めない。
「それだけじゃない。夏休みも終わったというのに、一人も友達がいないだろ」
「それは馴染めなかっただけですよ」
「あの教室は、心に何かを抱えた生徒が集まる場所だ。因みに教室の名前はS組!」
「‥‥‥はい?」
「Sランクって、ゲームでは最強なんだろ?だからSにしてみた!」
今時はSSランクとか、SSSランクもあるが、教えてしまったら『一年SSS組にする〜!』とか馬鹿なことを言いかねないから黙っておくことにする。
「アホっぽい理由ですね」
「おい。とにかく、流川もあの教室に通え」
「悪いですけど、俺の心は正常です!」
「俺の体は敏感です?なに言ってるんだ。セクハラか?」
「こっちの台詞だよ‼︎ちなみに、あの教室に通うって、放課後だけですか?」
「いや、朝からだ。幸い、あの二人は流川と同じ一年生だ。授業も問題なく進められる」
別に今も、普通の教室に通っていて問題はない。時々、俺のありもしない噂話が聞こえてくるが、それは孤立している人間をストレスの吐口にしたいだけの弱い人間がしてることで、俺は大して気にしていない。と言えば嘘になる‼︎‼︎そんなことを思っていると、天沢先生は俺の両肩を掴み、ニヤッと笑った。
「あの教室に通えば、いろいろと特典が付くぞ」
「たとえば?」
「授業中寝ていても怒られないし、毎日の宿題も出ない。遅刻しても怒られることはない」
「それ、生徒として見られてないだけじゃないですか?」
「その通りだ。あの教室を担当する先生は、お前らを生徒ではなく、一人の人間として見る」
「人間としてとか、別にどうでもいいんですけど」
「まぁ、そう言うな。それと、さっき見た通り、生徒は美少女!大の男嫌いってのが問題だが」
「男嫌い⁉︎無理無理無理!」
「お?行く気になったか?」
「人の話聞いてます⁉︎」
「まさか行かないわけないよな〜?もしかして美少女相手にビビってるのかな〜?プププ〜!」
「ビ、ビビってないし⁉︎てか、コーヒー臭いです」
「おっと!失礼」
天沢先生は口元を隠して一歩後ろに下がり、俺は案内された教室に向かって歩き出した。
さっきの天沢先生の走りを見て、逃げられないと強く感じたからだ。
「とりあえず様子見で」
「私も付いていってやる」
「そりゃどうも」
とりあえず『美少女最高!』ってことだけを頭に入れて教室に入ると、天沢先生は俺の背中を少し強めに叩いて、代わりに俺の紹介をしてくれた。
「
すると、なんとか
「私は
「お、おう」
可愛らしくニコッと笑う
近くで見ると、人形みたいな人だな。これは誰が見ても美少女って言うに違いない。
「あ!苺ミルクだ!私が好きなの知ってて持ってきてくれたのー?優しいね!」
「いや、これは俺の‥‥‥」
「なんだー。飲みたかったな〜」
悲しむ顔も可愛く、俺は柄にもなく苺ミルクを差し出してしまった。
「よかったら」
「いいの⁉︎わーい!塁飛くん好きかもー!」
あぁ、すぐに好きとか言っちゃう人がまともなわけがない。それに、今違う男が苺ミルクを渡せば『〇〇くん好きかも〜!』と同じことを言うに違いない。
「なんだ流川。仲良くできそうじゃんか」
「飲みたそうだったからあげただけです」
「そうかそうか」
「
「結構です」
「それじゃ、私が勝手に紹介するぞ」
「お好きにどうぞ」
「この生徒は
どう考えても仲良くなれる気がしない。自己紹介を堂々と断わる人と仲良くしてやれって言われても困る。
「んじゃ、私は職員室戻るわ〜」
「えっ」
「なんだ流川。寂しいのか?」
「違うわ!」
「んじゃ行くわ〜」
天沢先生が教室を出て行き、急に猛烈な気まずさを感じる。とりあえず座るか。
「そこ、貴方の席じゃないわよ」
「あ、すまん!」
1番廊下側の夢野の隣の席に座ろうとすると、
「でも、
「勝手にすれば?」
消しゴムを夢野の机に置き、白波瀬は教室を出ていった。
「なんか、庇ってくれたみたいでありがとう」
「‥‥‥」
「夢野?」
「なに馴れ馴れしく呼んでるわけ?」
「ん?」
夢野は俺と二人きりになった途端、目つきを鋭くさせて、さっきまでのゆるふわで愛想のいい、可愛らしい態度が急変した。
「てか、なんでこの教室に来たわけ?」
「天沢先生に連れられて」
「そもそも、その言葉遣いはなに?」
「夢野こそどうした?二重人格?」
夢野は鋭い目つきで立ち上がり、俺のネクタイを下に強く引っ張った。
「くっ」
「土下座」
「なんで⁉︎俺はなにもしてないんだけど⁉︎」
「私達の教室に男なんて要らないの。私を不快にさせたんだから、土下座して謝るのが普通でしょ?」
「‥‥‥了解」
自分が悪くなくても、人は誰かに頭を下げられると、自分が上だと錯覚して満足するんだ。ただ謝ればいいだけ。簡単だ。
その場で土下座をし、冷静に謝罪の言葉を述べることにした。
「すみませんでした」
すると夢野は躊躇することなく、靴を履いたまま俺の背中をグリグリと踏み始めた。
「あっれれー?さっきまでの生意気な態度はどうしたんでちゅかー?」
「‥‥‥」
「ねぇねぇ〜、女の子に踏まれて嬉しいでしょ?嬉しいって言いなよ〜」
「‥‥‥」
なんなんだー⁉︎満足するどころかエスカレートしたー‼︎‼︎‼︎
「言え‼︎」
その威圧的な声に多少ビビリ、俺は恥を捨てて夢野に従った。
「嬉しい」
「ご主人様には敬語でしょ?やり直し」
「‥‥‥嬉しいです」
「んっハァ♡」
え、なに今の!なんかエロい。
その時、白波瀬が教室に戻ってきて、夢野は急に俺の横にしゃがみ、優しく背中に触れ、声のトーンが上がった。
「塁飛くん!大丈夫?なにもない場所で転ぶなんて、どうしちゃったの?」
なるほど。誰かが居る時は猫をかぶるのか。
「だ、大丈夫大丈夫」
「保健室行く?」
「平気。ちょっと飲み物買ってくるわ」
「うん!もう転んじゃダメだよ?」
「う、うん」
教室を出て、早歩きで階段まで行き、そこからは全力で一階まで走った。
なにあれ怖い‼︎無理‼︎怖い‼︎あーんど怖い‼︎
一階まで下り、深い溜息を吐きながら、目的もなく廊下を歩いていると、誰かに背中を優しく、パンパンパンと三回叩かれた。
「ん?」
振り向くと、そこには天沢先生が立っていた。
「ププー!女の子に踏まれて喜んでた流川塁飛くんじゃないですかー!」
口を押さえながら俺を指差して馬鹿にしてきた。入学してから、ずっとこの調子だから慣れてはきたが、ムカつくものはムカつく。
「見てたなら助けてくださいよ‼︎」
「どうしてだ?嬉しかったんだろ?なんなら、私が今から踏んでやろうか」
「なんでだよ‼︎」
「五千円でどうだ」
「金取るのかよ‼︎」
天沢先生は内股で体をくねらせ、可愛らしくウィンクをした。
「お願い♡今月ピンチなの♡」
「教師失格」
「チッ。使えないガキだな」
「なんだ⁉︎マジで教師やめろよ!」
「とにかくだ。あの教室で頑張れ」
「昼休みが終わったらいつもの教室に戻ります」
「それは許可できんな」
「生徒が苦しんでるのに、ほっとくんですか?」
「なんだ?流川は苦しいのか」
天沢先生は爽やかな笑顔で両手を広げた。
「さぁ、先生の胸へ飛び込んでおいで!よちよちしてあげる!」
「胸なんて見当たらないけど」
その瞬間、少し中指を出っぱらせた本気のゲンコツをくらい、痛みで思わずしゃがみ込んでしまった。
「いって〜‼︎‼︎‼︎」
熱を感じるほどの痛みだ。
「お、大きくなるもん!」
天沢先生は悔しそうに走り去り、俺は頭をさすりながら、元の教室に戻った。
「‥‥‥え?」
教室に戻ると、俺の机と椅子が無くなっていて、女子生徒と楽しそうに話す男子生徒が俺を見た。
「塁飛の机なら、三階の廊下まで運んだぞ」
そう話しかけてきたのは、男のクラスメイトだ。名前は知らないし、初めて話した。
「そ、そうなんだ」
余計なことしてくれたな〜‼︎全部天沢先生の思い通りか。
この学校では一階に一年生、二階に二年生、三階に三年生の教室がある。他人の机を三階まで運ぶのも大したものだ。
トボトボと、ゆっくり三階に戻って机を持ち上げた時、S組から天沢先生が顔を出した。
「おーい。授業始まるぞー」
なんで天沢先生が?と思いながら、俺の心は完全に諦めモードに突入していて、S組に机を運んだ。すると、夢野は俺を心配するような表情をして立ち上がった。
「机運ぶなら手伝ったのに!」
「あ、ありがとう」
夢野の優しさは全部嘘。可愛さに惑わされちゃダメだ。
「教室のどこでもいい。好きな場所に机を置け」
女子の近くに座るわけにもいかず、窓側の、できるだけ後ろの隅に机を置いて椅子に座った。
「よし!新しい生徒も増えたし、私も改めて自己紹介する。天沢冬華(あまさわふゆか)。18歳」
おい、嘘つくな。23歳だろ。まぁ、教師にしては若い方か。
「好きな食べ物はお金と睡眠だ」
食べ物じゃないし。
「今から寝れると思うと、ワクワクして眠れなくなるほど睡眠が好きだ」
なんかそれ、想像したら可愛いな。
「そして、このS組の担任だ!」
一瞬耳を疑ったが、すぐに理解できた。
だから朝のホームルーム以外は教室に顔を出さないんだ。
「流川。驚いてるな?私はこっちがメインだ」
「ほー」
「なんだよー。もっと興味持ってくれよー」
「はいはい。凄い凄い」
「まぁいい。今日は一人足りないが、みんな、仲良く頼むぞ!」
「はーい!」
返事をしたのは夢野だけだった。仲良くする気なんて一ミリもないくせに‼︎
「さて、それじゃ授業を始めるぞー」
「冬華ちゃん!」
「どうした夢野」
「塁飛くんに勉強教えてあげたいから、今だけ隣に行っていい?」
「問題ないぞ」
俺は顔が引きつり、嫌な胸騒ぎに襲われた。
そもそも、天沢先生は夢野の本性を知っているのに、なぜ隣に来ることを許可したんだ。アホなのか?まぁ、あの人はアホか。
夢野が隣に机を運んで座ると、普通に数学の授業が進行された。
「これ分かる?」
「‥‥‥」
「‥‥‥分かる?」
しつこいな。そう思って夢野の表情をチラッと見ると、目を大きく見開いて、完全にお怒りモードだった。
「わ、分かる。大丈夫だ」
「で?なに戻って来てんの?」
周りに聞こえないように、小さな声だったが、かなりの威圧感を感じる。
「不可抗力ってやつ?」
「意味分からない。私に踏まれるのが癖になっちゃった?」
最初はあっさり謝ったが、このままじゃ、ずっと調子に乗るし、ずっと俺は夢野の下の人間で居続けなきゃいけなくなる。
この教室に通うことが決まった以上、俺は戦わなければならない‼︎
まずは夢野のプライドにダメージを与える‼︎
いや待て、逆に褒めちぎるのはどうだ?結局は女の子なわけだし。と会話の途中で色々と考えていると、夢野は不気味にニコッと笑った。
「私の質問には1秒で答えること。分かった?ポーチ」
「ポチって、俺は犬じゃない。馬鹿にしないでくれ」
「私に口答えしたの?」
「俺が犬なら、夢野は猫だよ。猫被りちゃん」
イラッとして思わず言っちゃったよ‼︎ヤバイかな。ヤバイよね。そうだよね。
結果はヤバかった。夢野は俺の太ももに短い爪を立て、不気味に笑った。
「‥‥‥んふふ。塁飛くん‥‥‥気に入っちゃった♡」
「‥‥‥」
可愛かったり怖かったり、かと思ったら気に入っちゃったってなに⁉︎本性を知らなかったら絶対惚れてるよ!
「私、強気な人って好きだよ」
「ど、どうも」
きっと罠だ。俺は騙されないぞ!
「強気な人間が私に屈服していく姿が見れると思うと、ゾクゾクしちゃう。いっぱい可愛がってあげるね。塁飛くんがこの教室に来なくなる日まで」
騙されておけば良かったと思った。恐怖を感じるぐらいなら、甘い夢を見るべきだった。
「明日から楽しみだね〜」
「そ、そうだな」
よし‼︎明日は休もう‼︎そうしよう‼︎
それから、なんとかS組での一日を過ごし、誰も居なくなったS組で脱力していると、天沢先生が戻ってきた。
「まだ居たのか」
「やばーい‥‥‥夢野の圧の中で一日過ごすのはヤバイ。ヤバすぎます」
天沢先生は、夢野の椅子を持って俺の目の前に座り、優しい表情で俺を見つめた。
「夢野の心を暴け。逃げずに心を見てやれ」
「夢野の心とか興味ないですよ。てか、あのドSが本性ですよね」
「夢野が怖いか?」
椅子を傾けてバランスをとりながら天井を眺めた。
「あれが怖くない人なんていませんよ〜」
「恐怖は無知故の感情だ。夢野の心を知れ」
「どうやってですか?」
「拒絶しないでまともに話してみろ。夢野の性格を否定するな。そうすれば‥‥‥」
肩をツンっと軽く突かれ、バランスを崩して無様に床に倒れてしまった。
「いってー‼︎‼︎‼︎」
「こんな風に、簡単に夢野の心の壁は崩れ落ちる」
「‥‥‥まさか、S組の生徒を救うために俺を入れたんですか?」
「それもある。私は流川を頼りにしてるよ。だから、流川は私を頼れ」
カッコいい先生だ。だが、そのカッコよさは一瞬で打ち消された。
「にしても‥‥‥指先一つでバランス崩してやんのー!あははー!」
いつもの調子で俺を指差し、ムカつく表情と笑い方で馬鹿にしだした。
「まず、突っつかないでもらえます⁉︎」
「もしかして〜、ずっと座り込んでるってことは〜、私に手を差し伸べてほしいのかな〜?プププー!」
思わず無表情になり、俺はスッと立ち上がった。
「もう帰ります」
「なんだよー、もう少しぐらい話していけよー」
「馬鹿にされるから嫌ですよ!」
「つれないな〜」
俺が教室を出るまで、天沢先生は席を立たず、なにか考え事をしているように見えた。
だが、俺は明日からの学校生活への不安でいっぱいだった。白波瀬は話しかけてこないから、今の所ほっといても問題ない。
夢野をなんとかしないと毎日地獄だ。
そうだ‥‥‥俺が更生させるしかない。そうするしかない‼︎
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