ひとり

もしも ぼくの喜びが

夜空に瞬く星々のなかでも

ひときわ眩い輝きを放つ

奇麗な星の光だったなら

ひとびとは笑顔になって

ぼくと手を取り合ってくれただろうか?


もしも ぼくの怒りが

ことごとく世のなかにあるものを

灰も残さず焼き尽くす

美しい烈火だったなら

ひとびとにも熱意が伝わって

ぼくとともに立ち上がってくれただろうか?


もしも ぼくの悲しみが

荒れ狂った嵐をも呑み込む

どこまでも深い雄大な海の

暗くて冷たい海底だったなら

ひとびとは少しばかりの恐れと敬意を持って

一滴の涙でも流してくれただろうか?


もしも ぼくの楽しみが

真っ赤に染まる夕日を

ただただ眺めて終わりを実感する

ゆったりとした時間だったなら

きみはぼくの隣に突っ立って

ポケットに手を突っ込んで

黙ったままでいてくれるだろうか?

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