クリスマス

黄色い落ち葉 赤い落ち葉

風に追われて宙を舞う

円を描いて宙を舞う

からから からから 笑ってる

飛び立った木を

じっと見つめて笑ってる


街路樹たちが紅葉した葉っぱを

脱ぎ捨てて

代わりに明かりを灯して

おしゃれする

煌々と 他を寄せつけない

お空のお星さまにも負けず劣らず

街路樹たちが光を纏う

無口な木々が誇らしげに胸を張る


人混みも イルミネーションも苦手だった

スポットライトを浴びてるみたいで

ぼくにはふさわしくない場所

街が浮かれた気分になって

ぼくを覆いこもうとしてくる


でも あなたと手を繋いで歩くと

気にならない

あなたの手はぼくに

勇気を与えてくれた

あなたと一緒なら

どこまでも行けるような気がする


あなたの手の温かさが

ぼくのからだに溶けて

別々だったものが

やがて 一つに混じり合う

ぼくとあなたはもともと

一つの生き物だったのかも

どこかできまぐれに

離れ離れになったのもかも

巡り合えたのを奇跡と言うんだね


ぼくたちは手を絡めて

人混みを往く

街路樹の光が

ぼくたちだけを照らし出す


人混みも

イルミネーションも

悪くないかも

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る