紫陽花 あるいは
心のなかで紫陽花が咲いている
群生しているのか 一輪なのか
枯れかけた紫陽花が咲いている
灰色に覆われた世界で
朧気にだけど
ぼくに伝わってくるんだ
ああ あれは紫陽花だって
七変化 八仙花
紫陽花にはいろんな
別名があるんだね
羨ましいとは思わない
でも ぼくもみんなから
いろんな名前で
呼ばれてみたいと
思うときがある
寂しがり屋だから
ときどき そういうことが
気になるんだ
移り気なんて
花言葉があるけれど
どんなに姿を変えようと
紫陽花が紫陽花であることに
変わりはないだろう
他人が言うことだ
言わせておけばいい
なんて 少しだけ
強がってみる
見た目を変えたいなら
好きに変えてもいいんだ
変える必要があったんだろう?
変わることも自分らしさ
なにをもって紫陽花?
それは紫陽花だけが知っている
心のなかで紫陽花が咲いている
枯れかけた紫陽花が咲いている
色が薄くなっても まだ紫陽花
くしゃくしゃになっても まだ紫陽花
ガクを失っても まだ紫陽花
枯れ果てても まだ紫陽花
姿形が消えても まだ紫陽花
ぼくの心なかでは
きょうも紫陽花が咲いている
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます