トワイライト・ソルジャーズ
猫町大五
第1話
某国。独裁者による圧政と、それを原因とする政情不安と不景気。それらを解決すべく行われた他国侵攻は失敗に終わり・・・今や滅びを待つのみとなった。
「進捗は?」
「・・・飛ばせるだけの無人機は飛ばしました。現在、年式の新旧を問わず兵器をかき集めています。人員は足りませんが」
「装備科が作ってたドロイドがあっただろ、それ使え」
「・・・あの未亡人製造機、出すんですか」
「エントランス前に置いとけ。目の前敵しか居ないなら問題無い、もしもの時は装備剥いでバリケード代わりに使え」
「了解」
「民間人の避難は」
「地下の第三シェルターです。ほぼ終わりました」
「いくら非難されても国民だからな、守らん訳にはいかん」
「・・・分かってはいるんですが」
「いいじゃないか、首相官邸の政治屋共を死守するより遥かにマシだ。気張れ」
「装備が足りません!!」
「訓練用も使え、レギュレーターいじりゃ実弾も使える!!どうせ一回こっきりだ、地下に寝かせてある鹵獲品も引っ張ってこい!!」
「規格が合いません!」
「アホ、何も混用しろとは言ってねえ!部隊ごとに独立運用しろ、兵器なんざセーフティー外して引き金引けば使えるんだ!」
・・・ここは、文字通りの最後の砦。領土の三分の一に侵攻され、周辺区域すら敵だらけの四面楚歌。帝国陸軍諜報部、中央合同庁舎。
「おい」
「何でしょう」
「・・・もし、最悪の事態になったとしたらだ。国民は地下シェルターから連絡通路通して国外へ送れ。話はつけてある」
「・・・それは」
「心配するな、確かな相手だ。危害を加える奴じゃない。・・・その時は、そこが文字通り俺たちの墓穴になる」
「・・・自国に骨が埋まるんですか。良いのやら悪いのやら」
「全くだな」
指揮官らしき男はニヤリと笑うと。
「・・・俺も行くか」
立ち上がった。
トワイライト・ソルジャーズ 猫町大五 @zack0913
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