第47話

 志帆は即死だった。

 「悪りぃ、遅くなっちゃって。ちょっと大事なゴーグルを探してたんだけど、机の中に有ったわ」

 俺は、あの異世界への入り口に行けるゴーグルを手に持つと圭吾達に、顔を向けた。

 だが、顔を向けた先には衝撃の光景が広がっていた。

 圭吾が持っていた剣からは血が滴り落ちている。

 しかも、その剣は圭吾達と訪れたあの世界で、圭吾が俺を殺した(?)剣だった。

 そして、その下には見るも無惨な、志帆の姿が有った。

 「…圭吾、お前!?」

 俺の言葉に、圭吾はくるりと振り返り、「真治…何、見てんだよ。お前は、俺の物にしたかったけど見てしまった物は仕方無い…か」

 と、持っていた剣を振りかざそうとしていた。

 俺は、その場から立ち去ろうとしたが「待てよ、真治」と、直ぐ後ろに何時もの圭吾とは違う、鬼の様な形相の圭吾の姿が有った。 俺は、落としてしまったゴーグルを手に持つと〈これも、仮想現実なら全てが嘘だ。このゴーグルで、俺の居た現実世界に戻れる筈だ〉

 そう、願いゴーグルを頭に被ってみた。         

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