第40話
「別に、これは手品でも何でも無い。そんなもんじゃよ、人の意識なんて。ワシ等がどう思うかで、世界は変わっていくんじゃ」
そして、持っていた林檎が又無くなっていた。
俺は、今だにコイツが何を言っているのか良く分からず圭吾に「もう、良いよ。圭吾、早くここから出ようぜ」と、声を掛けた。
すると、「ケイゴよ。隣の真治の顔をオモいっきり殴ってみよ」と、この初老男性はとんでも無い事を言ってきた。
「…分かりました」
「はッ!!圭吾、何を言ッ」圭吾の言葉に俺はそう言いかけると、突然俺の顔面を本気で殴ってきた。
「グキッ」鈍い音をしながら、痛みが全身に伝わった。どこに、こんな力が有るのだろうか!?
「痛てッ!!圭吾、お前」俺は、そう怒鳴ると圭吾の顔を思いっきり睨み付けた。
その時、圭吾は涙を浮かべながら、「ゴメンな、真治。でもお前が、こんな所に来るから」と、小さくではあるがそう言っているのが、微かに聞こえた。
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