第31話

 それにしても、不思議なロボットだ。

 そしてここは、やはりロボットが支配する世界だった。

 周りには、至る所に人形ロボットの他にも様々なタイプのロボットが居た。

 見渡す景色も、鉄と銅だらけで緑が生い茂る自然はまるで見当たらなかった。

 匂いも、錆びた鉄の臭いがそこら中に充満していた。

 アクビ達が居た世界とは大違いだった。

 俺達は、このロボットの後ろに付いていき、御主人様とやらの所に向かっている最中、圭吾が「ここは、AIが進化してロボットが支配しだしたから人間は殆んど居なくなってしまったのかもしれない」と、言ってきた。

 確かに、そうかもしれない…

 俺達が見る限りでは、人間どころか、動物さえも見当たらなかった。

 と…その時この人形ロボットが歩みを止めた。

 歩みを止めた先には、飛行船の様な物体が姿を現した。

 「コノ、ノリモノニノッテゴシュジンサマノトコロニイキマス」

 いきなり、喋りだしたかと思えば、陰に潜んでいた同じ様な人形ロボットが何体も出てきて、俺達を拘束してきた。

 そして、俺達は、強引にこの飛行船の後ろの空いたコックピットに乗せられてしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る