第8話

 「ねぇ、親父何これ?」俺は、その妙な機械を指差しながら、両手一杯に荷物を抱えていた親父に唐突に聞いてみた。

 「あー、これか!真治も、もう亡くなったおじいさんが発明家だったのは知ってるだろ?お父さんの、子供の頃からあったんだが、何でもこのゴーグルを被ると二次元の世界に行ける発明をしたんだと」

 「ヘー、そうなんだ?でも、そんなの出鱈目でしょ?常識的に考えて、二次元の世界に行ける訳無いじゃん」

 俺は、祖父が発明家だったのは知っていたのだが、そんな事は有る訳無いと、親父の意見を真っ向から否定した。

 「でも、そうとは限らないんだよな」しかし、親父は口許に笑みを浮かべながら何かを知っている様に返していた。

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