第3話
「真治、今はそんな話をしてるんじゅない。じゃあ、圭吾お前が解いてみろ」
宮本は、顔を真っ赤にしながら俺の斜め後ろの席の圭吾に、同じ質問をしてきた。
「はい、それは○○になるから答えは○○ですね」
圭吾はさも当たり前の様に、宮本の質問に答えた。
教室からは「おー、さすが圭吾!」と歓声が挙がった。
「うむ、正解だ」宮本は口を尖らせながら「真治、お前は圭吾と仲が良いのに何時までも寝てばっかりだと進級どころか、将来も危うくなるぞ」と、俺に言ってきた。
大きなお世話だ。
俺は、取り合えず頭には内容を入れなかったが数学の教科書を机に広げ読んでいる風を装う事にした。
〈こんなの、勉強しても何も将来の役に立たねぇよ〉
…俺は、心の中でそう呟いていた。
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