202010 ジャパロボ 30

渋谷かな

第1話 ジャパロボ30

「なんなんだ!? こいつらは!?」

 一人で敵地に突撃した前回の優勝者の優子は明らかに押されていた。

「ただのご当地ジャパロボじゃない!?」

 敵の四国ブロック代表はたったの4機。讃岐うどん、阿波踊り、道後温泉、四万十川モチーフの各ジャパロボ。優子1機でも楽勝のはずだった。

「ギャアアアアアア!? 助けて!?」

 ドカーン! っと茨城県代表のコキアジャパロボが倒される。

「一撃!? 一撃でジャパロボを撃破したというのか!? なんという破壊力だ!? あれに当たる訳には行かない!?」

 優子はジャパロボを自由自在に操り敵との距離を測る。

「ギャアアアアアア!? 死にたくないよ!?」

 優子はかわせるが栃木の宇都宮餃子ジャパロボが砲弾を受けて破壊された。

「こいつら!? できる!? ただのジャパロボじゃないぞ!?」

 違和感を感じながら戦っていた優子だが敵の認識が核心に変わる。

「関東ブロックのジャパロボに告ぐ! 全機撤退しろ!」

「なに!?」

「態勢を立て直すんだ! こいつらは危険だ!? ここは私が引き受ける!」

 優子は仲間の関東ブロックのジャパロボたちに撤退を示唆する。

「ふざけるな! 東京ばっかりカッコつけるんじゃねえ!」

「横浜!?」

「やってやる! やってやるぞ! 神奈川だってやれることを見せてやる! うおおおおおおー!」

 神奈川代表の横浜ジャパロボが四国ジャパロボにムキになって突撃する。

「無理だ!? 普通のジャパロボでは!? やめろー!?」

「ギャアアアアアア!? 助けて!? お母さん!?」

「だから言わんこっちゃない!?」

 神奈川代表の横浜ジャパロボは四国ジャパロボの攻撃の前に溶けた。

「こいつらの化けの皮が剥がしてやる! 自衛隊無線解除!」

 こういう不測の事態に備えるために自衛隊所属のジャパロボが潜入女子高生として全国ジャパロボ大会には参戦している。

「ああ、本日は晴天なり。聞こえますか? 本部? どうぞ。」

「はいはい。聞こえます。久美ちゃんです。どうぞ。」

「祐奈教官にリミッターの解除の許可を取ってください。どうぞ。」

「それは無理です。どうぞ。」

「なんで? どうぞ。」

「祐奈教官は熟睡中です。どうぞ。」

「zzz。」

「・・・・・・ですよね。」

 いつもどおり祐奈は眠っていた。

「ということは普段通り好き勝手にやっていいってことだね。どうぞ。」

「親指に朱肉つけて勝手に許可書に指印押しとくから好きにやってね。どうぞ。」

「了解した。自衛隊の名にかけて、テロリスト共は私が撃破する!」

 黒いジャパロボの優子が本気を出す。

 つづく。

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