私という人間

幽山あき

前日談

昨日は、ここしばらくマンションにGOKIBURIが大量発生していて、朝からその駆除のため侵入経路と思わしき場所に網戸用の殺虫剤をまき散らし、昼にはコンビニに学校書類をポストにINしにいった。外はあつかった。プリンタピオカなるものが新発売されている。帰りはタピオカを片手にマンションのGOKIBURIさんにあいさつをした。三人ほどいらっしゃっただろうか…

家に帰り母にGOKIBURIさんがこのマンションにいらっしゃっていることと伝える。虫の苦手な母に伝えるためにはオブラートに包みつつ伝える必要があった。ドアの開閉を減らすべきとだけ伝えると

「…いた…?」

とのこと。わたしが一回うなづくと、母も見かけていたようで、

「やっぱり。」

その後その事実をなかったことにするように

「冷やし中華食べよっか」

飲んでいたタピオカを机に置き母と夕食についた。野菜で麺の全く見えない冷やし中華を二人で黙々と食べた。

「この辺だったのよ」

母は指をさした。そっか、とだけつぶやき、見ていたテレビに戻った。

母の皿にはきゅうりだけが、私の皿には野菜全般が、残されていた。二人で食べきるには多すぎた。

そのあと伸びていた前髪を母に切ってもらった。紫色の髪が下に落ちていく。

部屋に戻ると買ってあった期限の近いコンビニ弁当をかきこみ、寝床についた。

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