202話 再会?

暗くなってきた中……。


兄上達と別れた俺たちは、急いで例の通路へと向かう。


そして、皇族のみが知る通路に突入する。


そのまま進んでいくと……扉が見えてきた。


しかし、その前には……。


「ふむ……きたか、アレスよ」


「ターレス……!」


そこには、ターレスに……見たことない優男がいた。


「お初目にかかります。私、ターレス様の補佐をしております、レイスと申します」


「……なるほど、例の男か」


サスケ殿が言っていた。

ターレスには、優秀な影がいると。


「聖女様も、ご機嫌よう」


「……私は聖女様じゃないわ」


「なるほど、そちらについたと。まあ、良い。女神も馬鹿だ、こうなると予想できただろうに」


「そんなこと言っていいのか? お前の主人じゃないのか?」


「クク……」


なんだ? この余裕は?

こっちには結衣もいるし、二対六だ。

戦力的も、こっちの方が圧倒的に……。


「いや、そもそも女神はどうした? そして……サスケ殿とカイゼルはどこだ?」


「女神か……あんなのは、この世界にいらない。やはり、人の歴史は人が作るべきだ。今、ここから——私が作る」


「神にでもなるつもりか? ——いいから、俺の質問に答えろ」


「クク……何を焦っている?」


「焦ってなどいない」


「クク、いい顔だ。感情を抑えつつも、滲み出る感情……女神に関しては良い情報を与えよう。奴は消えた——いや、私が吸い取ったというのが正解か」


「何……? 何を言っている? そして、俺の質問に答えてないが?」


「ふむ、流石に理解が追いつかないか……では、先に余興を始めるとしよう——レイス」


「はっ、ただちに」


後ろの扉が開く。


「カイゼル!」

「父上!」

「中村!」

「ハロルドとやらもいますね」


扉から出てきたのは、四人の男たちだ。


しかし……その目からは正気が感じられない。


「貴様……! 何をした!?」

「なに、大したことはしていない。生きているだけ感謝して欲しいものだ。さあ、我がしもべたちよ——奴らを殺せ」


その瞬間——四人が一斉に動き出す!


「チッ! アスナ!」

「わかってます! 父上は私が!」


「オルガ!」

「約束通り、ハロルドはお任せを!」


「カグラ!」

「勇者は任せるのだ!」


「セレナ! 全体のフォローと奥にいる二人に注意を払ってくれ!」

「はいっ! しっかり補佐します!」


「結衣! お前には回復を任せる!」

「う、うん!」


俺の相手は……。


「ガァァァァァァァ——!!」


目の前にいる、この男。


元帝国騎士団最強にして、元近衛騎士団長。


そして、俺の師であり尊敬する男——カイゼルその人だ。

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