第11回 卑弥呼様と匂わせ衣装は着るのはいやですね。
卑弥呼とのあのコラボ配信が好評で、切り抜き動画は1日で20個できており、最高再生数は6万である。
その影響で、俺と卑弥呼のチャンネル登録者数の伸びも半端なく、昨晩で10000人登録している。
チャンネル登録者数
俺:6万→7万人
卑弥呼:7万人→8万人
切り抜き師マジで感謝です。
コラボ配信後に、事務所で話があるからとマネージャーの角さんに呼ばれた。
マネージャーの角さんに出会う前、卑弥呼様に首絞められて、首がひりひりしているわけなんだが。
「阪井君、おはよう。あの忖度配信楽しかったよ~。首の周り赤いけど大丈夫?」
メガネをかけたボーダーで小太りの角さんが話しかけてきた。
「首に関しては、もう大丈夫です。もう~。胃がキリキリしてきつかったですね。もう二度とないコラボですよ。」
俺は、反論した。
「もったいないよ。数字も伸びているじゃん。みんなはそれを求めているんだよ。」
角さんは残念そうに言った。
「たぶん、あちらもそれを望んでいませんよ。初回コラボで忖度レースを行って、激おこでしたし。」
俺は、ニコニコしながら言った。
たまたま、俺と角さんの話を聞いていた葵さんが話に入ってきた。
「私の女の勘だけど、近い日にコラボ来るよ。卑弥呼さんは阪井くんのことを一目置いているし。コミュ障の卑弥呼様がわざわざ君の配信でコメント打ったんだよ。こんな忖度程度でコラボはやめないよ。」
葵さんは目を輝かせながら言った。
「葵さん、やめてください。あなたの勘は本当に当たるから怖いんですよ。それよりなんで楽しそうなんですか?」
葵さんに問いかけた。
「私ね。ひみ豆のファンになったのよ。あの忖度放送面白いわ。
ミュートがばれた時、声出して笑った。
それとさ。てぇてぇできそうな感じもいいよね。
気の強い鬼嫁と気の弱い夫がいて、なんだかんだで心の奥底ではお互いのこと好きみたいな関係が想像できるんだよね。」
葵さんのマシンガントークがとまらない。
「そうだよね。てぇてぇいけそうだよね。
あの気難しい卑弥呼さんが心を許してくれたからね」
「角さん、本題に移ってください。」
角さんに変なカップリング組まされそうなことに対して、イラつきながら言った。
「次の配信、例の衣装でやってね。これ、社長命令だから、拒否権ないよ。」
角さんはびしっといった。
「待ってくださいよ。このタイミングであの衣装でやるのはやばいですって。
あの衣装で配信したら、ひみ民の杞憂や、俺のリスナーのいじりが暴走しますよ。」
俺は、すこし声を荒げて言ってしまった。
「このタイミングだからこそ。意味があるんでしょ。ネタが増えるじゃん。
この衣装って、君がぼこばこにやられた後で切るって約束したよね。
この衣装を書いてくれた絵師さんにも、このまま使わないのって失礼じゃない?」
角さんに諭された。
「たしかにそうですね。衣装を書いていただいた絵師さんのために着ますよ。」
俺は、完全には納得していないが、絵師さんのことを考えたら着るべきだと思った。
「用事は以上だから。今日の配信で着てね。」
角さんは、この場を去った。
「あっ、時間だ。
打ち合わせに行かないと。
どんな衣装で配信するか楽しみだよ~。
卑弥呼さんと次のコラボさ、コラボ配信を私の配信に乗せながら実況するからね。」
葵さんも慌てて、この場を去った。
次のコラボとか、ないからと心の中で突っ込んだ。
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