人狼ゲームがやりたいっ!

ヘイ

第一回

初日

『これより人狼ゲームを開催致します。本日行われます、人狼ゲームは記念すべき第一回。役職は人狼、村人、占い師、騎士で行います。人狼は二人、村人は六人、内二人が占い師と騎士です。参加者どうぞ』

「どうも、溝鼠どぶねずみです。よろしくお願いします」

「はーい、水牛すいぎゅうです」

寅次郎とらじろうです」

卯月うづきなのですよ」

龍樹たつきであります! ……よろしく」

「すぐに素に戻ったなぁ。あ、ウチは蛇川へびかわでごぜぇます」

うまです。馬、だと……!?」

羊木ひつじぎですぅ」

『全員、揃いましたね。ではこれから人狼を始めようと思いますが、誰が誰だかわからないので語尾を考えてください』

「溝鼠はチュウで」

「水牛はモウで行きます、モウ」

「寅次郎は、がおーで」

『がおーで行けるんですか?』

「行けますがおー」

『……分かりました』

「卯月はぴょんですぴょん」

「龍樹は……、わかりません。助けて……!」

『では、アァンで』

「分かりましたあァン」

「マジか……。ウチはどないしましょ……」

『あ、蛇川さんはそのままで結構です』

「えー、ウチも考えたのになぁ」

「馬ですから、ヒヒーンで行きます」

「羊木は、もふもふですぅ」

『可愛こぶってんじゃねぇぞ、クソガキ』

「ああ?」

「羊木、落ち着きなせぇ。素が出とる」

「……失礼もふもふ」

『……さて、では始めましょうか。恐ろしい夜がやってきます。プレイヤーの皆さん、目を閉じてください』

「……アァン」

『喘がないでください。既に役職は分かってますね? 人狼の人、おもてを上げろ』

「…………」

「…………」

『オッケーです。確認できたら顔を伏せてください』

「あ、お股痒い、もふもふ」

『勝手にかきなさい、どうぞ。ええ、次に占い師、顔をあげてください』

「…………」

『貴方は白を一人知っています』

「…………」

『伏せてください。騎士の人、顔をあげ……、全部言わせろ』

「…………」

『恐ろしい夜が明けました。皆さん、おはようございます。まあ、初日は襲撃なしです』

「おっはーチュウ」

「おはようモウ」

「誰が占い師なんだがおー」

「占い師出てくるぴょん」

「俺が占い師っすアァン」

「喘ぐな」

「ごめんなさい蛇川さアァン」

「龍樹は嘘吐きもふもふ。占い師は僕もふもふ」

「白は、龍樹?」

「馬」

「ヒヒーン! 流石です。占い師、龍樹!」

「もふもふ、同じです」

「どっち偽物なんでっしゃろ?」

「龍樹が偽物もふもふ!」

「……よし、初日は取り敢えず羊木を吊っときましょか」

「もふもふ、蛇川さん?」

「お前、怪しすぎるんじゃ!」

「そうだそうだヒヒーン!」

「確実に馬はないけど、羊木はなんか吊っといた方がいいって俺の脳内で囁いているんだモウ!」

「ちょ、なんでもふ!?」

「悪いが、俺もそれに文句はないでチュウ」

「溝鼠ィ!」

「そういうことだ、羊木さん。……アァン」

「くっ、僕を吊ったことを後悔するんだもふ!」

「がおー、大人しく括られろー」

「そうだぴょん。日頃の行いを見直せー」

「寅次郎ォ!」

『あ、もしかして、もう時間いい?』

「オーケーぴょん」

「やっちまえがおー」

『では投票、お願いします』

「ふざけんなよぉ! お前ら、マジで!」

『もふもふをつけなさい』

「ふざけんなもふもふ!」

『集計結果が出ました。はい、お察しの通り羊木さん、首吊りです』

「ちっくしょう!」

『ええ、ではサクサク行きましょうか。夜になります。羊木、喋るなよ』

「分かってるもふもふ」

『占い師の人だけ顔をあげてください』

「…………」

『誰を占いますか?』

「…………」

『わかりました。結果を教えます。えーと、紙は、紙はっと……。はい、こちらです』

「…………」

『では顔を伏せてください。はい、次。騎士の人、顔を……。はぇえよ。で、誰を守りますか?』

「…………」

『顔を伏せてください。人狼の人、顔上げろ』

「…………」

『誰、殺しますか?』

「…………」

『はい、わかりました。では全員、顔をあげてください』

「はいはいチュウ」

「誰ですかね、ぴょん」

「ウチじゃありゃせんよな? お願いしますわぁ」

『……えー、本日の犠牲者は、馬です』

「ヒヒーン!?」

『馬の惨殺死体が見つかりました。馬よ、お疲れであったな』

「そ、そんな、馬鹿なヒヒーン……」

「馬の仇は俺たちがとりますよ、アァン」

「ああ、任せるんだ馬。がおー」

『ええ、では話し合いを始めてください』

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