戯言集
けんち
新生活
新生活と聞くと春の陽気を連想させるが、私にとって今月は個人的には新生活と呼ぶには十分な程のイベントがあった。
マイホームである。
と言っても良い気分ばかりではない。私自身としては気分が重くなる事ばかりであった。
実家との諍い、片付け、引越し、引越し後のご近所付き合いと前向きでない事が次々と襲ってくる。
それは家を建てるとなった時からはっきりとわかりきっていた事である。妻子を持つ者として嫌でもやらなければならない事なのである。
そういう事で、世にも珍しくマイホームを建てたにも関わらず全く嬉しくない男がここに誕生する事となってしまいました。
そこまでして建てる必要あるのか?と疑問に思われる方もいると思う。実際私もそう思う。
私が家に対してどのようなビジョンを持っているかはまた別の機会に披露するとして、私はガレージには執着があった。
私自身が車好きな事はもちろん、実家のガレージは軽自動車がやっと入るぐらいのお粗末なものだった事から、大きなガレージに憧れがありました。
そのひとつの野望は叶った事になります。
ただ、そのガレージに見合った車はまだありません。そして何百万もするような良い車を買うという気持ちもなくなりつつあります。
いくら良い車でも、減価償却されて価値が簡単に半分以下になる物の為にお金をかける意義がわからなくなりました。
建てたくもない家のローンとご近所の目を掻い潜りながら、希望も夢もない日々を浪費していくのです。
私の目の前に広がる闇がいつ終わるのか、自分で終わらせるのか、終わるのを待つのか、ただただ漂うばかり。
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