第4話昼休み

キーンコーンカーンコーン。昼休みになった。キミはいつも、仲の良いクラスの田中さんと一緒にお弁当を食べる。場所はキミの席か、田中さんの席の近くだ。

キミは席を立った。今日はどうやら、田中さんの方で食べるみたいだ。いや、違う。弁当箱を持っていない。キミは何も持たず、足早に教室を出て行く。僕は鞄から出そうとしていた弁当箱を戻して、キミを追いかけた。

廊下を出ると、キミはちょうど階段を降りるところだった。僕は気付かれないように、かつ見失わないように後を追った。

分からない。キミがどこへ向かっているのか。

分からない。なぜ僕は、キミを追いかけているのか。

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