転生エージェント

星の影

エピソード1

プロローグ 社畜の誕生

「転生エージェント?」

 ある日の午後、就活生の俺は、とある就活フェアに訪れ、あからさまに隅っこに追いやられている摩訶不思議な企業ブースを発見した。

「転職じゃなく転生?何だこれ……」

 転生ってラノベとかで流行っているあれか?まさかね。どうせ蓋を開けてみれば、ただの転職サイトか何かだろう。

「ねぇ!君、今時間はあるかい?」

「え?」

 呆然と企業ブースを眺めていたら、スーツを纏った社員らしき人に呼び止められた。

「ああ、まぁ……はい」

「よかったら説明聞いていかない?あんまり人が来なくて困っているんだよね~」

「いいですけど、何の会社なんですか?」

「簡単に言えば転職サイトかな。まぁ、立ち話もあれだし、あっちの面談室に行こう!」

「はぁ……」

 この時、俺は少しばかり興味を持ってしまった。元々、人材派遣やら転職やらに携わる仕事に興味があったし、目ぼしい企業はほぼ回った。暇つぶしにはちょうどいいだろう。面白半分だけど、ちょっとだけ話を聞いてみよう!そんな軽い気持ちのはずだった……


 翌年4月。俺は転生エージェントとなった。

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