第47話 テルスリー伯爵家①

 宿から、テルスリー伯爵家へ歩いて向かう。


「このキーホルダーさえあれば、大人数いらないだろ!」

 とグロースさんが、調子に乗っているが、大丈夫だろうか?


 パリスさんも、早くキーホルダーを使って、戦ってみたそうに、そわそわしている。


 二人に渡したキーホルダーは、2種類だ。


 剛力Lv4

 力を120%上げる

 効果時間 30分


 状態異常無効Lv4

 状態異常を無効にする。

 効果時間 20分


 このキーホルダーがあれば問題ないだろう。


 テルスリー伯爵家に騎士団員10人と、グロースさんとパリスさんと一緒に歩いていく。


 10分ほど歩くとテルスリー伯爵家についた。3階建の立派な屋敷だ。門に2人門番がおり、私兵の護衛隊もいるだろう。



「はじめまして、私はシルバニアン王国騎士団長グロースだ。」

 門番にグロースさんが挨拶している。


「ロゴダイン帝国よりバンク・テルスリー伯爵への謁見を依頼された。」

 グロースさんがロゴダイン帝国の紋の入った手紙を渡す。


「確かに帝国からの物のようだ。しかし当主様は、体調が優れないそうで、面会できないのだ」

 門番の男が答える。


「そうか。では今の責任者は、誰なんだ?」


「現在は、伯爵家の護衛隊長のジルグ隊長と統治担当のダービル様です。」


 その二人が担当らしい。門番は二人を屋敷から呼んでくれるみたいだ。気配察知のキーホルダーを使い屋敷を見てみる。屋敷の中に2つ力強く光った気配が近づいてくる。他にも10人ほどの光も近づいてきている。地下には、固まって10人と離れて2人いる。


「お待たせしました。私がダービルと申します。テルスリー様が体調不良のため、臨時で担当しています。」

 眼鏡をかけた色白で細身の男性だ。


「俺はジルグでテルスリー家の護衛隊長だ。」

 鎧をきた男性が話す。周りに同じデザインの鎧をきた護衛隊が並んでいる。


「シルバニアン王国騎士隊長グロースだ。さっそくで悪いが、テルスリー伯爵に合わせてもらおうか。」


「テルスリー伯爵は、呪いを受けている。話す事を封じられ、身体の四肢が麻痺しているのだ。」

 ジルグが教えてくれた。


 呪いか。僕なら治せそうだな。


「それでも構いません。ぜひ一度合わせてください。ロゴダイン帝国へ調査結果を報告しないといけないので。」

 グロースさんがお願いしている。


 ジルグさんは、わかったと言い案内しようとするが、ダービルさんは、嫌そうにしているな。


「分かりました。大勢では容態に関わりますので、4人まででお願いします。」

 ダービルさんが言う。


 4人か。

 グロースさんとパリスさん、ココミさんと僕にグロースさんが決定した。



「それでは案内します。」



 ダービルさんの案内の元屋敷に入っていく。








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