第6話 ロコ、再び

 ロコ「あのね、お父さん……」


 自分から出たことばに、もはや驚きはなかった。


 ロコ「ううん、パパ、もっとわたしのこと、ちゃんと見てほしいの……」


 お父さんはあきれた顔してる。


 父親「ロコ、君はまだそんな感じなのか……いい加減目を覚ましなさい」

 ロコ「違うの! わたし、ほんとにパパのことが好きで……」


 目の前で娘が裸になっていても、もはや驚きもしないお父さん。


 ロコ「ねぇ、いいよね……? わたし、ほんとにどうにかなっちゃいそうで……」

 父親「いいから、早く服を着なさい。わたしだって忙しいんだ、休む時間を……」

 ロコ「あぁん、寝ちゃだめ! わたしもう無理やりパパとつながるからね……?」

 父親「ロコも早く寝なさい、あしたも早いんだから」

 ロコ「もういい! わたし、本気だから……あぁっ」


 身体が空気に触れて冷えたのか、下のほうから聞きたくない音がした。


 父親「ロコ、君は疲れてるんだよ。片づけておくから、君は大事をとりなさい」

 ロコ「はぁい……」


 そのひとことに絶望し、とぼとぼとベッドに向かうわたしだった。

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